Dansons は Fastly の Compute と Fanout を活用して同社のアプリで超高速レスポンスを実現し、バーベキュー愛好家の満足度を向上 

バーベキューやグリルの達人は、燃料から火加減、肉の切り方、ソース、最も本格的なバーベキュースタイルにいたるまで、調理プロセスのすべての側面に強いこだわりがあり、大きな情熱を注いでいます。グリルの腕前を家族や友人たちに披露して皆を喜ばせ、楽しむには、細かな調整を可能にし、調理技術を最大限に活かせる道具が必要です。そのような期待に応える一環として、Dansons が Pit Boss Grills 向けに Grill Connect™ テクノロジーを独自開発してワイヤレステクノロジーを導入したことで、アウトドア料理愛好家のためのツールキットの選択肢がより豊富になりました。Pit Boss Grills のモバイルアプリは、完璧さを追求する顧客にコントロールの強化と意識の向上をもたらしたのでした。

さらに Dansons は、顧客が同社の製品の微調整と最適化を行えるようにすることを目指し、そのためのパートナーとして Fastly を選びました。2020年初頭、Dansons はまずサードパーティが作成した顧客向けのレガシーグリルアプリを投入しました。このツールは便利で評判も良かった一方で、Dansons の Mobile and IoT Development Manager を務める Ryan Minor 氏は、より優れたユーザーエクスペリエンスを実現するアプリを社内で開発できると確信していました。その結果、Dansons の顧客にリアルタイムの応答性を提供するより高速なアプリが誕生し、同時に同社の IT チームはデータに対するコントロールを強化することもできました。

データ転送を5 - 7倍加速させてリアルタイムのユーザーエクスペリエンスを実現

Grill Connect™ テクノロジーの高速化を影で支えているのが Fastly の Computee です。「Fastly なくしてこれを成し遂げるのは困難だったでしょう。エッジコンピューティングは私たちのテクノロジーの鍵を握ります」と Minor 氏は語っています。
Pit Boss Grills のようなアプリではセントラルクラウドでデータが保存・処理されるので、(場合によっては離れたところにある) クラウドにデータが送信され処理されて、そこからまたデータがユーザーのデバイスに送信されることになります。このパワフルなテクノロジーは多くのユースケースに適していますが、遅延による影響が大きいデータを扱う場合や、離れた場所にデータが送信される場合はエッジコンピューティングによって大きなメリットが得られます。庭でバーベキューを楽しみ、グリルを完全にコントロールしたいユーザー向けに作成された Grill Connect のような IoT (モノのインターネット) テクノロジーでは、スピードが速い方が良いことは明らかです。Grill Connect™ の以下の機能は高速処理を必要とします。

• グリル温度の設定とモニタリング 


• 適切な内部温度を手動で設定、または肉の種類に合わせて事前に設定されている温度設定機能の利用


• 好みの焼き加減に仕上げるための時間のモニタリング 


• グリルの火を止める

これらの機能によって、グリル器具の脇で何時間も過ごさなくても、きわめて精度の高いグリル調理が可能になります。 

Dansons は、Compute 上でエッジメッセージング機能を提供する Fastly の Fanout のメリットを活用しています。Compute 上に Fanout 機能を追加することで、Fastly は世界最大級のリアルタイムデータ配信ネットワークになります。「Compute と Fanout を組み合わせて使用することで、Grill Connect のデータ転送速度が以前のテクノロジーに比べて5 - 7倍向上しました」(Minor 氏)。これにより、HTTP リクエストとレスポンスサイクルに関連する遅延が削減され、アプリとグリル間の通信時間が数ミリ秒に短縮されました。その結果ユーザーは、氷の買い出しに走ったり、グリルから離れて休憩したり、夏にエアコンの効いた室内に涼みに行ったり、真冬のバーベキューで暖房の効いた部屋に温まりに行ったりしている間でも、リアルタイムでグリルをコントロールすることが可能になります。 

Fastly でデータに対するコントロールを得て製品を強化

社内でアプリを構築することで、Dansons はデータに対するコントロールを得ることができました。「サードパーティのアプリを使用していた当時は、アプリを使用しているユーザーの人数や1秒あたりの受信リクエスト数などの基本的なデータにさえアクセスすることができませんでした」(Minor 氏)。Fastly を使用してアプリを社内で構築して以来、Dansons は自由にデータにアクセスできるようになり、カスタマーエクスペリエンスの向上に活かしています。

Minor 氏は、今後はエラーメッセージのパターンの特定など、問題の診断にデータを活用し、製品の質の改善に取り組むことを計画していると語っています。また、グリルの使用時間が一定の基準に達した際に器具を清掃するよう顧客にリマインドするなど、問題の発生を防ぐ対策にデータを利用することもできます。さらに、データに機械学習技術を適用することで、特定のユーザー向けのレシピやスパイスなどの製品に関するインサイトが得られるだけでなく、売り上げ向上につながる分野を特定し、今後の製品開発に役立てることも可能です。

「当社のソフトウェアシステムに機会学習技術を導入するのを楽しみにしています。Fastly に移行して収集可能になったデータを活用し、さまざまな方法でカスタマーエクスペリエンスを強化できることを考えるとワクワクします」(Minor 氏)

Fastly サポートチームの迅速な対応によって Dansons の IT チームは作業を継続 

新しいアプリを一から構築するのは大変な作業なので、Fastly のサポートは Dansons にとって心強い味方でした。「Fastly のサポートは『私たちはこれを提供できます。利用するかどうかはお客様次第です』のような単純なものではありません。Fastly チームは多種多様な技術的サポートを、私たちが必要とするときに提供してくれます」(Minor 氏) 

現在 Dansons のアプリは順調に稼働し、Fastly チームはアプリ運用の良好な状態を維持できるようサポートしています。Minor 氏は、Fastly のエンタープライズサポートプランの大きなメリットとして、対応の早さとインシデント後のフォローアップを挙げています。  「私はいつも日課の仕事に加えて他の複数の作業を同時にこなしています。ですから Fastly チームがすぐに対応して迅速に問題を修正し、同じ問題が再発しないようにするには何をする必要があるのかを解明してくれるのがとてもありがたいです」(Minor 氏)