2023年第2四半期

Fastly のお客様ならびに関係者の皆様へ

この夏も Fastly は魅力的なリリースに取り組んでいます！今四半期にネットワークサービスは Web パフォーマンスとセキュリティの強化を目的とするさまざまな新機能を導入しました。こうした機能強化には、Image Optimizer Metadata Passthrough (GA) や Mutual TLS (GA)、OHTTP Relay (GA) などが含まれます。Compute に関しては、Config Store (GA) や KV Store LA、WebSocket (GA) のサポートを含む新たなストレージやサポートオプションを導入し、これまで以上に優れた機能の提供を開始しました。Fastly のセキュリティチームは、Edge Rate Limiting (GA) や Custom Response Code Expansion (GA) によって増幅型攻撃への対応やレスポンスコードの分類を可能にするアップデートの展開に注力しています。オブザーバビリティに関しては、Compute Log-Tail UI (LA) の提供を開始しました。これによりお客様のデータに関するインサイトを強化できるだけでなく、Edge Observer のパブリックベータ版をすべてのお客様に提供することが可能になりました。以下で全リリースのリストをご確認ください。

内容

ネットワークサービス

• Image Optimizer Metadata Passthrough (GA)


• Mutual TLS (GA)


• OHTTP Relay (GA)


• WebSockets (GA)


• TLS Dashboard (GA)


• Image Optimizer Self-Service Enablement (GA)


• Certainly (LA)

• Config Store (GA)


• Dynamic Backends (GA)


• Core Cache API (GA)


• Origin Inspector on Compute (GA)


• KV Store (LA)

• Linux Arm Agent (GA)


• Custom Response Code Expansion (GA)


• Edge Rate Limiting (GA)


• Edge Deployment - Premier (GA)

• Compute Log-Tail UI (LA)


• Edge Observer (Public Beta)

ネットワークサービス

Image Optimizer Metadata Passthrough (GA)

Image Optimizer Metadata Passthrough により、ソース画像に組み込まれた特定の著作権メタデータを、Image Optimizer によって変換された画像出力に保持することが可能になります。

Mutual TLS (GA)

Mutual TLS (mTLS) により、お客様の機密データを保護し、クライアント/サーバー間のセキュアなインタラクションを可能にするステップを追加できます。mTLS は、クライアントとサーバーの両方に有効なデジタル証明書を提示するよう要求し、双方向認証を行うことで信頼できる接続を確立します。この相互検証プロセスにより不正アクセスを防ぎ、中間者攻撃のリスクを軽減し、お客様のデータの完全性を確保することが可能になります。

OHTTP Relay (GA)

OHTTP Relay は、お客様の個人情報 (ユーザーエージェントや IP アドレスなどのヘッダー) を共有せずに API と通信し、プライバシーを保護できるサービスの構築をサポートする、プライバシーの保護を目的としたサービスです。

WebSocket (GA)

Fastly Compute と Delivery プロダクトにて WebSocket のサポートが開始されました。WebSocket はエンドユーザーのブラウザとオリジンサーバー間でインタラクティブな双方向通信を可能にする通信セッションです。

TLS Dashboard (GA)

TLS Dashboard は、すべてのマネージド TLS 証明書、あるいは持ち込みの TLS 証明書の設定に対する全体的な健全性を見渡せる単一ビューを提供します。これにより、問題の迅速な特定や対応、特定のドメインのフィルタリングが行えます。

Image Optimization Self-Service Enablement (GA)

Fastly App (UI) や API、Terraform を利用して単一の Fastly サービス内で Image Optimizer を迅速に有効/無効化、および設定できるので、より簡単にスケールして運用の複雑性を軽減できます。

Certainly (LA)

Certainly は Fastly マネージド TLS サービスで完全に自動化されたドメイン検証済み TLS 証明書を提供します。Certainly により、証明書のライフサイクル管理プロセスを最適化し、発行の迅速化や更新プロセスの簡易化、自動化の強化が可能になります。

コンピューティング

Config Store (GA)

高性能なエッジストレージソリューションのひとつである Config Store を利用することで、環境変数やリダイレクトリスト、その他の設定データをエッジロジックに適用できます。Config Store の使用により、キー/値のディクショナリリソースで設定データを容易に変更し、ユーザーのリクエストを受信後すぐに決定に必要な重要な情報にアクセスすることが可能になります。

Dynamic Backends (GA)

Dynamic Backends は Compute の新機能であり、Fastly Service の新バージョンをデプロイすることなく、アプリケーションが新しいバックエンドサーバーを動的に作成できるようになります。これらのバックエンドは、既存のバックエンドと同様に機能するだけでなく、既存のバックエンドと同じ方法で Fastly Service の設定機能を介して設定できます。

Core Cache API (GA)

Core Cache API は、Compute 上で構築する開発者向けにパワフルなコア API のプリミティブを公開し、強力なグローバルキャッシュネットワークへのプログラマブルなアクセスを提供します。

Compute 向け Origin Inspector (GA)

Origin Inspector は Fastly Edge Cloud を介してオリジンのデータを、リアルタイムと履歴の両方のタイムスパンでレポートするためにデータセットと可視化をお客様に提供します。今回のリリースにより、Compute をご利用のお客様も Fastly UI を利用して数回クリックするだけでオリジン毎のメトリクスを把握し、従来は Delivery サービスのお客様のみが得られた Origin Inspector の利点をすべて活用できるようになりました。

KV Store (LA)

KV Store により Fastly のネットワーク全体を通じてパフォーマンスの高い読み込みと書き込みが可能になり、よりパワフルなエッジアプリケーションの構築を実現できます。KV Store は、セントラルクラウドからデータを取得せずにエッジでデータの保存、コントロール、キャッシュを実行できる機能を開発者に提供します。その結果エンドユーザーとのインタラクションの高速化、ストレージの費用とデータ送信コストの削減、フォールトトレランスの強化を実現できます。

セキュリティ

Linux Arm Agent (GA)

Arm Agent は最も利用されている Linux ディストリビューション (Alpine、Ubuntu、Debian、CentOS、Red Hat Enterprise) を現在サポートしており、さらに Fastly は Armと互換性のある NGINX 向けのモジュールを提供しています。

Custom Response Code Expansion (GA)

カスタムレスポンスコードにより、サイト全体を対象にブロックのデフォルト HTTP コードを更新し、ブロックされたすべてのリクエストに統一されたレスポンスで応答できるようになりました。また、Next-Gen WAF が 301/302 リダイレクトを送信し、ブロックされたリクエスト (ブロックされたクライアントのリクエスト ID を含む) をお客様が管理するブランドページにリダイレクトできるようになりました。

Edge Rate Limiting (GA)

Edge Rate Limiting は、トラフィックが Fastly Edge からネットワークに流れるレートを制御する方法です。今回のリリースでは Terraform と CLI がサポートされています。

Edge Deployment - Premier (GA)

Fastly の Premier Security パッケージをエッジにデプロイできるようになりました。これにより、Fastly でトップクラスのセキュリティを実現しつつ、パフォーマンスとコンピューティングにおいて大きなメリットが得られます。

オブザーバビリティ

Compute Log-Tailing User Interface (UI) (LA)

Compute Log-Tailing UI により、メトリクスやアラート、カスタムダッシュボードと同じインターフェイス内でログとデバック情報の両方にアクセスし、開発段階におけるエッジアプリケーションのアドホックデバッグがしやすくなりました。

Edge Observer (パブリックベータ版)

Edge Observer はオブザーバビリティプロダクトを初めて使用するお客様に適したフロントエンドインターフェイスです。Edge Observer により、あらゆるエッジデリバリーのメトリクスとオブザーバビリティデータを、単一のダッシュボードで分析できます。カスタムダッシュボードを構築することで、リアルタイムデータと履歴データの表示やメトリクスの比較、同僚とのダッシュボードの共有、Compute Log Tailing インターフェイスを活用したコンピューティングログのリアルタイムでのログ監視を行えます。