Fastly のお客様ならびに関係者の皆様へ
Fastly は今期、次世代 WAF、Cloud WAF、イメージオプティマイザーの機能強化に集中的に取り組んできました。次世代 WAF のエッジデプロイが「エッセンシャル」パッケージで一般公開 (GA) されたほか、CVE シグナルの追加やログサンプリングと時系列表示の改善も実施しました。また、AWS Lambda との統合により、Lambda 関数を起動して Fastly 次世代 WAF のエージェントを有効化できるようになりました。Fastly の次世代 WAF のクラウドデプロイでは、マルチオリジンワークスペースのサポートが可能になり、今後もすべての新しいインスタンスでサポートしていく予定です。さらに、Fastly のイメージオプティマイザーは、優れた圧縮と高速配信を実現する新たな画像フォーマットの AVIF 形式に対応し、インフラコストの削減やエンドユーザーのエクスペリエンスのさらなる向上をサポートします。
内容
一般公開を控えて、Fastly は次世代 WAF のエッジデプロイ機能に対してさまざまな改善を行いました。特筆すべき点として、Varnish とエッジセキュリティサービス間のオリジン同期化を改善し、エッジデプロイと、関連する配信サービスのプロビジョニング解除を行う新しい API コールを追加しました。「Agents」ページで EdgeSecurity と名付けられた新しいエージェントとスライダーが追加され、Edge、Core、および Cloud WAF のデプロイタイプを区別できるようになりました。エッジデプロイのオプションでは、ホスト環境に変更を施すことなく、Fastly のエッジクラウドプラットフォームに次世代 WAF をエッジセキュリティサービスとして追加することができます。
Fastly 次世代 WAF のエッセンシャルプランをご利用のお客様は、コントロールパネルの「Signals」メニューまたは API のテンプレートルールのセクションから、CVE シグナルを設定することが可能です。また、次世代 WAF の SmartParse テクノロジーやテンプレートルールを利用して、仮想パッチを迅速に適用できます。アカウント設定で仮想パッチに関する通知の受け取りを有効にすることで、新しい CVE に対するルールの最新情報を常に得られます。
Fastly 次世代 WAF のログサンプリング機能をアップグレードし、ルールビルダーで一致したリクエストのログを有効化 (Sampled) または無効化 (None) できる「Request Logging」メニューを追加しました。ログが有効か無効であるかを問わずに、カスタムルールに一致するリクエストは時系列グラフに表示されます。新しいルールでは、ログはデフォルトで有効になっています。ルールに対してログを無効にする場合は、Request Logging メニューで「None」に設定します。今後は、ルールの条件に一致するリクエストをログする目的でカスタムシグナルを作成する必要はありません。カスタムシグナルが設定されている既存のルールについては、一致するリクエストが引き続きログされますが、カスタムシグナルが設定されていない既存のルールについては、一致するリクエストが記録されません。
AWS Lambda との統合機能により、Fastly 次世代 WAF のデプロイでサーバーレスおよび FaaS (Function-as-a-Service) トラフィックの保護も可能になりました。AWS の Lambda 関数は、Fastly の次世代 WAF エージェントを起動し、パフォーマンスとレイテンシへの影響を最小限に留めつつ、Web アプリケーションを攻撃者から保護します。サーバーレス環境のサポートは、大規模なインフラストラクチャのサポートやサーバーのプロビジョニングなしに Web アプリケーションを拡張させたいお客様たちから、これまで最もリクエストの多い機能のひとつでした。
Cloud WAF のマルチオリジンワークスペースへのデプロイ (MOWD) が一般公開 (GA) されました。今後は複数のオリジンとワークスペースを、ひとつの Cloud WAF インスタンス内で管理できます。Cloud WAF の効率的な管理の合理化は、特に、複雑なデプロイ環境を持つお客様に大きな価値をもたらします。複数のオリジンを使用しているお客様は、既存の Cloud WAF インスタンスにワークスペースを素早く追加できるようになりました。
イメージオプティマイザーで AVIF形式 のサポートが一般公開 (GA) されました。AV1 画像出力形式 (AVIF) は、AV1ビデオビットストリームから派生した画像形式であり、圧縮効率を重視して設計されたものです。パワフルなイメージオプティマイザーと AVIF を組み合わせることで、高い画質を維持しながら、パフォーマンス向上とコスト削減も同時に達成できます。イメージオプティマイザーは、画像の作成や配信の簡素化、画像配信ワークフローの自動化、インフラとクラウドのコスト削減を可能にし、お客様の Web パフォーマンスの改善をサポートします。この機能を活用し、トップクラスの画像最適化と配信を実現するためにも、イメージオプティマイザーの「プロフェッショナル」パッケージへのアップグレードをぜひご検討ください。