Fastly のお客様ならびに関係者の皆様へ
第3四半期には各種新機能を追加し、ネットワークのサイズを拡大しました。セキュリティを大規模に強化する機能に加え、サイズが大きく暗号化されたファイルの最初の1バイトまでの時間を短縮する機能や、画像に基本的なエフェクトを追加する機能などを導入しました。また、Fastly の POP の数は世界全体で54か所となり、ネットワーク容量は26 Tbpsになりました。今四半期の取り組みについては以下をご覧ください。
内容
第3四半期末時点で Fastly は世界54か所で POP を運営しています。5大陸で以下の POP の追加と強化を行いました。
新しい POP の追加と既存の POP のネットワークの強化により、第3四半期にエッジ容量が3 Tbps増加し、Fastly のエッジ容量の合計が26 Tbpsになりました。
現在、Fastly は65か所のインターネットエクスチェンジポイント (IXP) に配置されています。今四半期に以下の IXP に新たに接続しました。
インターネットサービスプロバイダー (ISP)、企業、およびクラウドサービスプロバイダー (CSP) は、これらの IXP で直接 Fastly と相互接続し、インターネット上のネットワークホップを減らすことができます (詳細については、https://www.fastly.com/peeringをご覧ください)。これにより、低レイテンシでパフォーマンスの高い Fastly のエッジクラウドへの接続が実現します。
All Services ページにいくつかの変更を加えました。お客様の多くはご利用の Fastly サービスの全体的な状況を確認するために All Services ダッシュボードをすでに使用されていますが、これらの新しい機能によりそのエクスペリエンスが強化されます。
ACL は、以前は API のみの機能で、サービス内で URL へのアクセスを付与、または制限するために Varnish が参照するアクセス権限のリストを格納できます。Fastly の柔軟性を活かし、これらの ACL を使用して許可リストとブロックリストを構築することで、エッジでのセキュリティを強化できます。新しいコントロールパネルを使用して、ACL をリアルタイムで追加、削除、更新できるようになりました。自動化されたツールで ACL を活用している方は、引き続き API を使用できます。
独自の TLS 証明書を管理するお客様向けに、証明書の更新と秘密鍵のローテーションのための新しい UI をリリースしました。このページでは、インクルードされたドメイン (SAN エントリー) に関して新しい証明書が完全一致の場合に、ドラッグアンドドロップイン ターフェイスを介して独自の秘密鍵をアップロードし、証明書のローテーションを実行できます。また、更新が推奨される TLS 証明書が UI によって通知されます。
Fastly の新しい Platform TLS の使用により、大容量のホスティングサービスを提供したり、複数ブランドのポートフォリオをサポートする企業が、Fastly の API を通じて証明書やキーの管理を含む、TLS のプロビジョニングを完全かつ大規模に自動化できます。Platform TLS は、自動化されたグローバル規模のTLS のターミネーションやアクセラレーションのソリューションを提供し、何十万もの証明書の配信と管理を可能にします。このソリューションにより、パフォーマンスと効率性に優れ、一貫した TLS の大規模な管理を実現できます。
限定提供版 (Limited Availability) の Platform TLS API が更新され、キーの管理、エラー処理、検索、並べ替えを行う機能が追加されたほか、Fastly のその他の API との整合性も改善されています。
アカウント全体の TLS 設定を変更および管理できるユーザの新しいアクセス権限が追加されました。Superuser は、ユーザーアクセスをコントロールする UI または API を介して、任意のロールのユーザー (User、Billing、Engineer) にこのアクセス権限を付与できます。
Fastly の Subscriber Provided Prefix は、IP アドレス空間を長期にわたり管理する必要があるお客様向けに、限定提供版 (Limited Availability) としてリリースされた新しいサービスです。送信メールサービスの IP レピュテーションを維持する必要がある、またはコンプライアンス上の理由から特定のアドレスを使用することが必要になる可能性がある場合、このサービスを使用することで、アドレス空間を「ホワイトリスト化」し、Fastly ネットワークの容量と継続的な拡大のメリットを活かしながら、将来にわたりお客様のブランドを守ることができます。
このサービスでは、お客様は Fastly の IP アドレスを使用する代わりに、Fastly に独自の IP アドレス空間を提供します。この場合、お客様の本番サービスにおいて Fastly は、お客様が指定した IP 空間に Fastly のインフラストラクチャを介して通知、ルーティング、配信します。つまり、お客様によって指定された独自の IP アドレスにトラフィックを送信することができ、Fastly のインフラストラクチャの HTTP エニーキャストによってこのアドレスに到達できます。また、このサービスをオリジンピアリングおよび Fastly DDoS 対策サービスと組み合わせて使用することで、Fastly のグローバルネットワークを通じてお客様のサービスが保護されます。
TLSによるストリーミングミス機能を限定提供版 (Limited Availability) としてリリースしました。ストリーミングミスはサイズが数 MB のファイルを配信するすべてのお客様に役立つ強力な機能です。この機能により、キャッシュミス発生時にオリジンからサイズの大きなファイルを取得する際に、そのファイルのチャンクをエンドユーザーに配信し始めることができます。このストリーミングに似た配信により、ミス発生時の最初の1バイトが到着するまでの時間を大幅に短縮し、カスタマーエクスペリエンスを改善できます。ただし、従来はオリジンに接続する際に暗号化を使用できないという制限がありました。そのため、転送中のデータの暗号化が求められるコンプライアンスやセキュリティの委任を遵守する Fastly のお客様はこの機能を利用することができませんでした。そこで、この制限を排除できる機能を限定提供版としてリリースしました。この機能のご使用を希望されるお客様は、サポートチケットを提出することで有効にできます。
Fastly のイメージオプティマイザーに、以下の5つの基本的なイメージエフェクト機能が追加されました。画像の明るさ、コントラスト、彩度のほか、シャープやぼかしを変更できるようになりました。様々な変換を組み合わせ、1つの画像を望みどおりのイメージで出力できます。
先日 VCL リファレンスのビジュアルの改訂が完了し、必要な情報をより簡単に見つけられるようになりました。VCL リファレンスの情報はすべて専用のスペース (https://docs.fastly.com/vcl) で公開されています。ドキュメントのすべての変更は、ドキュメントの変更履歴で追跡できます。VCL 固有の変更点については、「New and recently updated VCL docs (新しいおよび最近更新された VCL のドキュメント)」というタイトルのセクションをご覧ください。