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エッジコンピューティングと AI の採用における主なトレンド : Google Cloud の Reisfeld 氏との対談

Chris Buckley

Principal Software Engineer, Fastly

エッジコンピューティングのイノベーションにより、コンテンツが配信・処理される方法が急速に変化し、より高速で効率的、かつ拡張性の高いソリューションが実現します。エッジコンピューティングでは、アプリケーションをエンドユーザーの近くに移動させて分散させることで、レイテンシが大幅に短縮し、アプリケーションのリアルタイムパフォーマンスが向上します。これは、パフォーマンスが高く魅力的で安全、かつパーソナライズされたエクスペリエンスを提供するために不可欠です。

エッジコンピューティングと人工知能 (AI) の組み合わせにより、予測的なキャッシュ、パーソナライズされたコンテンツ配信、リアルタイム分析に役立つエッジでのインテリジェントな判断など、大きな機会が生まれます。このふたつの統合により、超低レイテンシと高い信頼性を必要とするユースケースの実現が促進されます。AI がユーザーとのエンゲージメントにおいて重要かつ不可欠な要素となる中、最先端の CDN を活用し、パフォーマンスが高く、かつ安全な方法でインテリジェントなソリューションを提供することで、業界全体ではないにしても、企業がユーザーとやり取りをする方法が革新され、よりスマートで適応性の高いソリューションを実現できます。

Google Cloud の Customer Engineering Manager である Dave Reisfeld 氏と Fastly の Principal Sales Engineer を務める Chris Buckley は、先日行われた対談の中で、マイクロサービスやセキュリティから生成 AI の革新的な影響に至るまで、エッジ戦略を形成する主なトレンドについて詳しく語りました。 

以下では、これらに関するインサイトについて詳しくご紹介します。

エッジコンピューティングのイノベーションがユーザーエクスペリエンスの向上を促進

エッジコンピューティングにより、企業は重要なワークフローをエンドユーザーの近くで実行し、スピードと効率性を高められます。以下は、エッジの導入を推進する主な要因の一部です。

  • 境界セキュリティ : 企業はエッジコンピューティングによって、DDoS 攻撃や SQL インジェクション、著作権侵害などの脅威からシステムを保護できます。これには、高度な Web アプリケーションファイアウォール (WAF) のルール、トークンの無効化機能、コンテンツの保護対策のデプロイが含まれます。

  • パーソナライズ : eコマースやデジタルパブリッシング、ストリーミングメディアなどの業界はエッジテクノロジーを活かし、低レイテンシとパーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを提供しています。

  • 運用の柔軟性 : オンライン・コンテンツ・プロバイダーは、マルチ CDN 戦略でエッジコンピューティングを活用することでコンテンツの保護を強化し、中断や放送品質の低下を招くことなく、ストリーミング中でもシームレスに CDN プロバイダーを切り替えることができます。

エッジで革新的なワークフローを実行

最先端のアプリケーションを分散エッジプラットフォームに簡単にデプロイでき、従来のソリューションが抱える問題を解決するのに役立ちます。

  • ログ機能のカスタマイズと強化 : Fastly の柔軟性の高いログ機能などのツールによって、ログデータをエンリッチ化し、リアルタイムのインサイトとインテリジェンスが得られます。

  • サードパーティとの統合 : エッジプラットフォームにより、セキュリティソリューションやビジネスインテリジェンス (BI) を提供するプロバイダーとの統合が可能になり、自動化されたボット攻撃や、急速に進化するセキュリティ環境で新たに発生する脅威から保護できます。

  • AI を駆使したセキュリティ : 高度な AI と機械学習 (AI/ML) モデルにより、ビジネスやユーザーが利用するインフラストラクチャの外で著作権侵害や不正行為などのセキュリティ脅威を検出する能力を強化できます。

WASM : エッジプラットフォーム向け統合テクノロジー

WebAssembly (WASM) は、エッジアプリケーション開発にとって極めて重要なツールとして台頭しています。今回の対談で言及されているように、Google Cloud と Fastly はいずれも WASM を採用しており、ユーザーは複数のプラットフォームで実行される移植性の高い高性能アプリケーションを作成できます。これにより開発が簡素化され、より迅速なデプロイが保証されます。

また、クラウド ネイティブ環境でのパフォーマンス、移植性、セキュリティを強化する WASM の可能性を米国政府が認識し、WASM がクラウドネイティブセキュリティの標準となるよう積極的に提唱している点に留意することも重要です。

エッジ戦略における生成 AI の役割

生成 AI (GenAI) には、カスタマーサービスの強化から高度なコンテンツ検索機能まで、さまざまな用途があり、企業によるエッジコンピューティングの活用方法に変化をもたらしています。しかし、企業がユーザーエクスペリエンスの向上に向けて生成 AI を積極的に採用する中、スケーラビリティにはレイテンシやコスト増加などの課題が伴います。以下によって企業はこれらの課題に対処できます。

  • セマンティックキャッシュ : Fastly の AI Accelerator は、クエリの意味をキャッシュすることで、同じ内容のユーザーリクエストへの応答時間を改善し、レイテンシを削減します。

  • ユーザー向けアプリケーション : インテリジェントなカスタマーサービスプロンプトから自然言語検索まで、生成 AI は革新的なさまざまな方法でテストされています。

AI の実用 : 効率性とインサイトの向上

AI ツールによって、多様な分野で効率性とユーザーエクスペリエンスを強化できます。

  • CDN 設定のマイグレーション : Fastly の CDN Assistant は、AI を駆使して既存のプロバイダーの複雑な設定を分析して複製し、マイグレーションのタイムラインを数か月から数日に短縮します。

  • トークン化とセキュリティ : Google Cloud は AI/ML を活用して不正なトークンを検出して無効化し、動画の著作権侵害防止に貢献しています。

  • 高度な分析 : マーケターは生成 AI によって、従来型の BI パイプラインを必要とせず、シンプルなプロンプトを介して実用的なインサイトにアクセスできるようになります。

今後の展開 : エッジと AI の未来

エッジコンピューティングと AI の組み合わせにより、さまざまな業界の企業に新たな機会が生まれます。コストや複雑さなどの課題は残されている一方、WASM の移植性、セマンティックキャッシュ、AI 主導のインサイトなどのイノベーションが変革をもたらしていることが証明されています。企業は今後もテストを続け、エッジは間違いなく、安全かつスケーラブルでインテリジェントなデジタルエクスペリエンスの未来において重要な役割を担うようになるでしょう。

今回の対談では、オペレーションの革新、ユーザーエクスペリエンスの向上、イノベーションの推進を実現するエッジコンピューティングの可能性が浮き彫りになりました。このテクノロジーの積極的な活用は、急速に変化するデジタル環境で企業が成功をつかむ鍵を握ります。

Fastly と Google Cloud の強力なパートナーシップは、2つの主要クラウドプラットフォーム間のパワフルなシナジーを意味します。私たちは互いの強みを補完し、共通のお客様が世界クラスのソリューションを通じてビジネスを革新し、拡大できるよう支援します。このコラボレーションにより、お客様は可能性の限界を押し広げ、さまざまな業界で変革的な成長を促進できるようになります。 

私たちは、このパートナーシップがもたらす機会を嬉しく思い、Fastly と Google Cloud の機能統合を活用してお客様が開発する画期的なソリューションに非常に興味があります。

オンデマンドのウェビナーを視聴し、対談の全容をご覧ください。