オリジンオフロードのメリット

キャッシュが困難なデータをキャッシュして送信コストを大幅に削減

コンテンツ配信パフォーマンスエッジコンピューティング

役職や業界を問わず、オリジンへのトラフィック量を削減し、より高速かつ優れたユーザーエクスペリエンスを提供しながらデータ送信コストを大幅にカットできる大きなチャンスを利用する必要があります。

内容

CHR オリジンオフロード

コンテンツ配信ネットワーク (CDN) は長年、キャッシュヒット率 (CHR) に固執してきましたが、最高のパフォーマンスを達成しつつできる限りコストを抑えるうえで理解する必要がある重要な2つのポイントがあります。 

  1. CDN のキャッシュを「若干」改善することでオリジンへのトラフィックを削減し、送信コストを大幅にカットできるこれらの要因の影響力を多くの人が過小評価しています。 

  2. CHR は CDN への全体的なオフロードを測定するうえで必ずしも最適な指標とは言えません。CHR では、キャッシュで処理されるリクエスト数が測定されますが、データ量は考慮されません。単にリクエスト数ではなく、オフロードされる実際のバイト数に焦点を当てる測定の方が、はるかに有用です。

より優れた CDN送信コストを削減

オリジンのインフラストラクチャから転送されるデータの量を示す送信トラフィックは、多くの組織にとって重要なコスト要因です。ストリーミング業界や大規模なダウンロードを扱う企業にとって送信トラフィックが重要であることは誰でも理解していますが、実際にはすべての業界にも同じことが言えます。API コールなど、通常キャッシュから配信しようとは考えないようなデータを含む、非常に動的なデータや頻繁に変化するデータがトラフィックの多くを占める場合でも、そのようなデータをより多くキャッシュして CHR とオリジンオフロードのパフォーマンスを向上できる可能性があります。

オリジンオフロードが少し増えるだけでオリジンへの負荷を大幅に軽減できる理由を理解するには、キャッシュミスの割合について考える必要があります。オフロードが90%から95%に増加すると、キャッシュミスの割合が10%から5%に減ります。つまり、キャッシュミス率が半減することを意味します。キャッシュミスのリクエストはオリジンからデータを取得しなければならないため、キャッシュミス率の半減は実質的にオリジンへの負荷の半減につながります。仮にトラフィックが扱うデータ量の総計を 100 GB とし、非常に優れた CDN によって95%オフロードできる場合、オリジンに送信されるトラフィックが扱うデータ量は 5 GB になります。  それに対してそこそこ優良な CDN では90%しかオフロードされないため 10 GB (非常に優れた CDN に比べて2倍) のデータ量を扱うトラフィックがオリジンに送信されます。

つまり、CDN のオフロードパフォーマンスが5%向上すると、オリジンへの負荷を50%軽減できる可能性があることを意味します (以下をご覧ください)。

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想像以上に多様なデータのキャッシュが可能 (大きなメリットが得られます)

トップクラスのエッジクラウドプラットフォームや CDN が、従来型 CDN (かなり優良なものも含む) をはるかにしのぐパフォーマンスを発揮できるのには多くの理由があります。(これらの理由をすべて知りたい方は、連絡ください!) パフォーマンス指標とオリジンのオフロードを改善する最も簡単な方法のひとつとして、動的コンテンツをキャッシュすることが挙げられます。API トラフィックは、動的すぎてキャッシュによるメリットが得られないと多くの業界で考えられているコンテンツの好例です。これらには、SaaS やファイナンスサービス、旅行、eコマース、ゲームなど、従来の CDN ではキャッシュの対象外とされてきた API や動的コンテンツを大量に扱っている業界が含まれます。これは、インターネット上で事業を展開しているすべての企業にとって、非常に大きな機会を逃していることを意味します。

Fastly の Instant Purge 機能は、より優れた CDN によってより多くのことが可能になる理由を理解するうえで、非常に良い例と言えます。Fastly では、150ミリ秒でコンテンツをグローバルにパージできます (2022年12月31日現在)。つまり、150ミリ秒よりも長い間隔でオリジンから更新されるデータはすべてキャッシュから配信できることを意味します。さらに、そのようなデータに対して驚くほど少ない RPS (1秒あたりのリクエスト数) で、オリジンから大量にトラフィックをオフロードすることが可能です。 

以下のチャートは、インフラストラクチャにおける特定の API またはデータをリクエストするその他のエンドポイントのオフロードの割合を示しています。これは、新しいデータで更新される頻度とそのエンドポイントに対する RPS の比較に基づいています。ご覧のように200ミリ秒ごとに更新されるデータでさえ、RPS がわずか10件でも50%のオフロードを達成できます。このチャートの大部分を占めるグリーンの箇所は、オフロードが90%を超えることを意味しています。こうしたメリットを考えると、すべての API リクエストはキャッシュから配信された方が望ましいということになります。Fastly のお客様が189%投資利益率を達成しているといった統計データを私たちが公表する際、この種のデータ送信コストの節約が、このような高い投資利益率を実現するうえで大きな役割を果たしているのです。

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以下のチャートは、オフロードによる収益への影響を大雑把に示しています。90%のオフロード率と 1GB ごとに0.05 USD のデータ転送コストで計算すると、平均 1 MB のリクエストを 5 RPS 受信するだけで、年間で12万 USD も節約できます。各 API を含む、リクエストに応答するインフラストラクチャの部分全体でこのようなコスト削減を実現できると考えると、5%のオリジンのオフロード拡大は大したことがないように見えても、大きなコスト削減とインフラストラクチャの簡素化をもたらし得ることが容易に理解できます。

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また、オリジンオフロードを大幅に拡大することで、オリジンのインフラストラクチャを縮小できます。その結果、企業はデータ送信コストを劇的に抑えられるだけでなく、より優れたユーザーエクスペリエンスの提供が可能になります。CDN のキャッシュまたはエッジから配信すればするほど、サイトやアプリの応答が速くなります。当然のことながら、これによってユーザーエクスペリエンスが向上し、特に eコマースや旅行・サービスなど、読み込み時間がコンバージョン率を大きく左右するビジネスモデルの場合、収入の増加に直接つながります。

CHR超えて - オリジンオフロードが重要な理由

CHR は、オリジンから配信されるリクエストと CDN のキャッシュから配信されるリクエストの比較に基づいており、キャッシュの効率や CDN のパフォーマンスを確認する便利な指標のひとつですが、CHR から全体像を得ることはできません。キャッシュについては、オリジンオフロードによってより大局的にパフォーマンスを捉えられます。オリジンサーバーが処理しなければならないトラフィック量と、トラフィックを CDN で処理するのに必要なネットワーク容量を減らせるオリジンオフロードは、オリジンサーバーの効率を高めるうえで非常に重要です。例えば、最小サイズのリクエストすべてをキャッシュから配信されるようにすることで CHR を向上できますが、非常に大きなデータのリクエストを少数オフロードする場合に比べてオリジンや送信コストへの影響は限られている可能性があります。

オリジンのインフラストラクチャの容量について考える際、リクエスト数と送信トラフィックの量 (バイト数で測定) は容量計画における重要な要素です。キャッシュヒット率が高いほど、より多くのリクエストがオリジンサーバーではなくエッジキャッシュで処理されることを意味し、レイテンシとレスポンス時間を大幅に短縮できます。

また、ピーク時の負荷に対応するためにオリジンをスケールさせるのに伴うインフラコストと運用コストを、大規模なオリジンオフロードによって縮小できます。このように、効率的なリソースの利用を維持し、エンドユーザーにシームレスなエクスペリエンスを提供するうえで、オリジンオフロードの向上は欠かせません。さらに、オリジンインフラストラクチャへの運用上の負担も軽減し、ボトルネックやサーバーダウンの可能性を最小限に抑えられます。

以下の例では、オリジンシールドとリクエスト共有機能が無効化されているケースをご確認いただけます (縦の点線)。CHR はリクエスト共有機能が無効化される前と基本的にほぼ同じレベルに回復するものの、オリジンで処理されるトラフィックの量は飛躍的に増加し、そのまま高いレベルを維持し続けました。CHR にそれほど変化がなくてもオフロードされるトラフィックの量は低下したままでした。オリジンシールドとリクエスト共有機能を使用しない場合、オリジンから取得されるコンテンツのバイト数が4倍に増えることが確認され、これは送信コストの増加にほぼ直結します。

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グラフからも分かるように、オリジンシールドを使用した場合、CHR は90%台前半でピークに達し、オリジンの負荷は5ギビバイト/秒を十分に下回るレベルに抑えられています。一方、オリジンシールドを無効にした場合、その直後に CHR とオリジンの負荷は影響を受けますが、その後 CHR は90%台前半まで回復しています。しかしオリジンの負荷は20ギビバイト/秒台前半で安定しており、これはオリジンシールドを使用した場合に比べてオリジンの負荷が4倍近く大きいことを示しています。

重要なポイントは、より優れたリクエスト共有機能やメディアシールド (特にストリーミング企業に大きなメリットがあります) などの高度な機能により、一見 CDN プロバイダーの間で CHR にほとんど差がなくてもオリジンオフロードを大幅に向上できることです。処理されるリクエストの合計に対する全体的な CHR の減少がわずかでも、Fastly は裏で通信トラフィックとデータ転送量を大幅にカットできます。

まとめると、そこそこ優良な CDN によって CHR を向上できますが、さらに優れた CDN ではそれ以上のことが可能になり、収入や収益のアップと組織の成功に貢献できます。 

Fastly ならではのメリット

Fastly は他社と根本的に異なる独自のアプローチを採用し、CHR の向上とオリジンオフロードの拡大の両方において競合企業を大きく引き離しています。

Fastly は少数の強力な POP を世界中の戦略的なロケーションに配置することに取り組んでいます。Fastly の大容量 POP により、静的コンテンツだけでなく動的なイベントドリブン型のコンテンツも含め、キャッシュからより多くのデータを配信できます。Fastly のエッジキャッシュを使用して動的、静的、アクセス頻度の高いコンテンツを配信することが可能です。さらに、Fastly の優れたリクエスト共有機能を併用すると、Fastly でより高いオフロード率を達成できる理由がお分かりいただけます。

Fastly に移行することでお客様は189%[object Object] の ROI を達成しています。これは信じがたい話かもしれませんが、嘘でも誇張された数字でもなく、まさしく実際の数字です。お客様がこのような数字を達成できる理由のひとつに、競合企業には不可能な方法で送信コストを大幅に削減できることがあります。

Fastly's CDN boosts conversions and revenue with improved security, uptime, & satisfaction.

Find out how

Fastly の CDN は、従来の CDN を超えるパフォーマンス、リアルタイムのコンテンツ管理、パフォーマンスの強化、先進的なアプリケーションの開発を常に可能にし、これらすべてを Fastly のグローバルネットワークを通じてエッジでより高速に実現します。興味がおありでしたらぜひ相談ください


[object Object] Fastly からの委託を受け、Forrester Consulting が2023年7月に実施した調査のデータより。モデル組織の結果に基づいています。

より強力なグローバルネットワーク

Fastly のネットワークが目指す先は、より優れた効率性です。配信拠点 (POP) を戦略的に設置することでオンデマンドのスケーラビリティを実現し、大規模なイベントやトラフィックスパイクの発生時でもシームレスな配信が可能です。ネットサーフィン、動画鑑賞、ショッピング、ビジネスなど、ユーザーがどこで Web を利用していても、信頼性の高いパフォーマンスと安心をお届けします。

353 Tbps

エッジネットワーク容量1

150ミリ秒

平均パージ時間2

1.8兆以上

1日あたりのリクエスト処理数4

約90%のお客様

ブロックモードで Fastly の NG WAF を使用3

2024年3月31日現在

2022年3月31日現在

2021年3月31日現在

2023年7月31日現在

サポートプラン

Fastly ではお客様のニーズに合わせて、スタンダード、ゴールド、エンタープライズの3つのサポートプランをご用意しています。

スタンダード

無料のサポートサービスで、Fastly へのご登録と同時にご利用いただけます。

ゴールド

影響の大きなイベントに対するプロアクティブなアラート、24時間365日の迅速なインシデント対応、100%の稼働時間を保証するサービスレベル合意書 (SLA) が含まれます。

エンタープライズ

緊急時のより強力なサポートや、お問い合わせ (インシデント以外も含みます) に対する24時間365日の対応など、より充実したサポートが受けられます。

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