絶え間ないサイバー脅威からデジタル資産を保護することは、これまでも容易ではありませんでしたが、悪意のあるアクターによる AI の広範な使用により、その負担は日々増しています。脅威をめぐる環境が進化するにつれ、従来のセキュリティ対策では対応できないケースが増え、多くの企業が深刻なデータ侵害や多額の経済的損失、評判への長期的なダメージといった被害に直面しています。
クラウドファイアウォールは、組織のセキュリティニーズを満たすカスタマイズされたソリューションを提供します。クラウドファイアウォールの導入により、ユーザーが接続する場所に関係なく、ネットワークアクセスを一元的に監視およびコントロールできるようになります。
以下では、クラウドファイアウォールのメリットと、同テクノロジーによって社内チームによるインストールやメンテナンスを必要としない、柔軟でスケーラブルな保護が得られる理由をご説明します。
クラウドファイアウォールは仮想シールドとして機能し、クラウドインフラストラクチャのデジタル境界を不正アクセスやサイバー攻撃から保護します。本質的には、組織のクラウドベースのシステムとデータのエントリーポイントを保護する役割を果たし、オンラインの脅威からアプリケーションや API の安全性を守ります。
クラウドファイアウォールは、クラウド環境に出入りするすべてのネットワークトラフィックを検査およびフィルタリングし、悪意のあるリクエストから保護します。
クラウドファイアウォールがクラウドインフラストラクチャ内のセキュリティとコントロールを強化する仕組みについて詳しく見てみましょう。
トラフィックの継続的な監視 : クラウドファイアウォールは、すべてのインターネット接続を継続的に監視し、受信データと送信データの両方をスクリーニングします。このプロアクティブなアプローチにより、クラウドネットワークに侵入しようとするあらゆる外部の脅威からビジネスを保護できます。
ユーザーベースのアクセスポリシー : 社員の役割に基づいてセキュリティルールをカスタマイズできるため、適切なアクセスを提供して生産性を最大限に高めながら、ビジネスを強力に保護し続けることができます。
ネットワークのセグメント化 : クラウドファイアウォールは、分離されたセクションにクラウドネットワークを分割します。そのため、あるひとつのセグメントが侵害されても、脅威の横方向の移動を防ぐマイクロセグメンテーションにより 、インフラストラクチャの他の部分の安全を維持できます。
クラウド環境内でプライベートネットワークを運用する組織の固有のセキュリティニーズを満たす、さまざまな種類のクラウドファイアウォールが存在します。これらのさまざまなソリューションを理解することで、企業は適切なソリューションを選択し、クラウドインフラストラクチャを保護できます。以下では、各種類について詳しく解説します。
パブリック・クラウド・ファイアウォール : パブリック・クラウド・ファイアウォールは、ネットワークに出入りするトラフィックを監視します。これにより、追加のハードウェアを必要とせずにアプリケーションとデータのセキュリティが確保されます。ただし、組織特有のニーズが満たされていることを確認する必要があります。
ネットワークベースのクラウドファイアウォール : このタイプのファイアウォールはデータパケットを検査し、事前設定されたルールを適用して、承認されたトラフィックのみがクラウドネットワークを通過することを許可します。このアプローチにより、ネットワークのアクティビティを可視化し、コントロールしながらシステム を不正アクセスから保護できます。ただし、パケット検査機能によって既知の脅威は検出されますが、高度な攻撃は検出を逃れる可能性があります。
SaaS 型ファイアウォール : 受信トラフィックをスクリーニングし、組織のクラウド環境に侵入する脅威を正確に検出する SaaS 型ファイアウォールは、ビジネスを保護するサービスとして提供されます。自動的に更新が行われ、管理も簡単です。ただし、独自の要件に合わせて完全にカスタマイズされたソリューションではなく、プロバイダーのセキュリティチームに依存することになります。
Web アプリケーションファイアウォール (WAF) : Web アプリケーションファイアウォールは、企業の Web アプリケーションにアクセスしようとする悪意のある HTTP/HTTPS トラフィックをフィルタリング、監視、ブロックすることで、Web アプリケーションを保護します。WAF は、アプリケーションとインターネット間のシールドとして機能し、オンラインビジネスや顧客に害をもたらす可能性のある SQL インジェクションやクロスサイトスクリプティングなどのレイヤー7攻撃を阻止します。
次世代 WAF : 高度な次世代 WAF は、アプリケーションや API、マイクロサービスを強力に保護します。OWASP トップ10の攻撃やアカウント乗っ取り、悪意のあるボット、DDoS 攻撃に対する包括的なセキュリティ対策を提供します。アクティビティに関するリアルタイムの可視性は監視に役立ち、開発ワークフローとの統合により、ビジネスオペレーションにシームレスに適合する使いやすいソリューションが実現します。
クラウドベースのアプリケーションに依存する企業が増えるにつれ、これらのリソースとデータのセキュリティを確保することが非常に重要になります。クラウド・ファイアウォール・テクノロジーは、デジタル資産の保護と社員の能力強化を可能にするメリットを提供します。以下は、次世代 WAF クラウドファイアウォールがビジネスに役立つ主な理由です。
次世代ファイアウォールは高度なメソッドを使用し、ネットワークトラフィックを継続的に監視して既知の脅威と新たな脅威の両方を検出して DDoS 攻撃を防ぎ、クラウド内のアプリケーション、API、サービスを包括的に保護します。
すべてのトラフィックを注意深く監視して異常な動作や疑わしい動作がないか確認し、不正アクセスや破壊的な攻撃、業務を危険にさらす可能性のあるその他の 悪意のあるリクエストからビジネスを保護します。
24時間体制の監視により、社員がオンラインのときはいつでもクラウドインフラストラクチャとデータが完全に保護され、クラウドファイアウォールテクノロジーのメリットのひとつである「常時警戒」を実現します。
次世代ファイアウォールは、使用状況が変動する中、ビジネスニーズを満たせるよう機能を自動的に調整するため、要件が増加してもコストのかかるハードウェアのアップグレードは不要です。