Gannett

Gannett は、全国紙の USA Today と300種類近くの地方紙を発行する米国最大手の新聞社です。米国全土および地方レベルで比類のない読者数を誇る同社は、1億5,000万人以上のユーザーの生活の一部として、ピューリッツァー賞を受賞したコンテンツや優れた消費者エクスペリエンス、その他のさまざまなメリットを提供しています。

業種 : メディア・出版
所在地 : 米国バージニア州タイソンズコーナー
利用開始 : 2017年

主な利用機能 :
瞬時のデプロイ
ロードバランシング
イメージオプティマイザー
WAF

統合技術 :
SumoLogic
BigQuery

ミリ秒の重み

ニュースが発表されると、Google の SEO 順位決定システムは通常、最初に公開されたストーリーを追跡し、それを検索結果の最上位にプッシュします。Gannett にとって、ニュースを最初に公開することは、自社サイトのトラフィックの動向を決定する重要な要因であり、常に最新のコンテンツを提供することがビジネスの成功に欠かせません。

Gannett は2017年まで、他社のソリューションを使用してコンテンツ配信のニーズに対応していました。そのソリューションは、コンテンツのパージに有効期限 (TTL) ベースのメソッドを使用していたため、ひとつのコンテンツをプッシュしてサイトに反映させるまでに45秒から90秒の時間を要しました。この間に他社が同じニュースを先に発表する可能性が十分にありました。そこで Gannett は Fastly のエッジクラウドプラットフォームに移行し、インスタントパージ機能を備えた瞬時に公開可能なプラットフォームを構築した結果、一貫して最速でニュースを公開できるようになりました。これにより Gannett は、コンテンツを平均150ミリ秒の速さでグローバルにプッシュできるようになりました。* ほぼリアルタイムでのコンテンツ配信が可能となった Gannett は、プロパティ全体でトラフィックとエンゲージメントが増加しました。また、Fastly のプラットフォームでは、オリジンサーバーにリクエストを送信する前にまずキャッシュ内でコンテンツを探します。これにより、Gannett は送信コストを35 %削減することができました。


「わずか0.2秒で Fastly のプラットフォーム全体でコンテンツを無効化でき、4 - 5秒でネットワーク全体に設定をプッシュできます。インスタントパージ機能が私たちのプロセスにどれほど大きな変革をもたらしたか、言葉では言い表せません」

Erik Bursch 氏


Product Technology、VP

エンゲージメント率が増加したことで、毎日発生するニュース速報が膨大なトラフィックスパイクを引き起こし、それを処理する必要がありました。以前 Gannett は、DNS 層でのロードバランシングに依存していました。これは、オリジンでリソースを過剰にプロビジョニングする必要があり、チームが必要とするきめ細かいコントロールや可視性を得ることができませんでした。そこで Fastly を導入した Gannett のエンジニアチームは Edge DictionaryVCL スニペット、バックエンドヘルスチェック機能を活用して、自社でロードバランシングのカスタムソリューションを構築しました。この新システムにより、チームは50/50の分割で Gannett のすべてのバックエンドへのリクエストの負荷を分散、あるいは CI/CD パイプラインと Fastly API を介してバランスのウェイトを0から100まで即時に変更できるようになりました。その結果、Gannett は DNS レコードの有効期限 (TTL) の変更を待ったり、最大限のトラフィックを処理するために不要なリソースを消費する必要がなくなり、必要に応じて各地域間のトラフィックフローをコントロールできるようになりました。


「私たちは Fastly を心から信頼しているので、ニュース速報の配信時にトラフィックスパイクが発生しても、安心して任せることができます。『Fastly は大丈夫かな?』なんて心配する必要はありません」
Ron Lipke 氏
Site Reliability Engineering、Manager

いくらコンテンツを迅速に発信できて、その結果として発生するトラフィックを処理できるインフラストラクチャを備えていても、ヘッドラインが素早く読み込まれなければ、まったく意味がありません。スピードとパフォーマンスに関するユーザーの期待を十分に理解している Gannett は、Fastly の超高性能グローバルネットワークを活用し、自信を持って卓越したエクスペリエンスの構築に取り組んでいます。2020年初め、USA Today は米国の大手ニュースサイトすべてを対象に実施された SpeedCurveよる表示スピードテストで最速サイトにランクされました。同社サイトは、最も大きなコンテンツ要素がビューポートに表示されるまでにかかった時間を示す LCP (最大コンテンツの描画) が0.48秒で、Web ページの可視領域内のすべての要素を完全に読み込むのに要した時間は4秒未満でした。**

*2019年12月31日時点
**2020年6月10日時点

開発者の手にパワーを

Fastly へ移行する前、Gannett の開発者は設定変更をデプロイしたあと、コンテンツ配信プロバイダーのネットワーク全体にその設定変更が反映されるのを待つ必要がありました。また、Gannett のチームが自ら設定変更を行うためのアクセス権を持たず、プラバイダーを通さなければ設定を変更できない場合もありました。変更をステージング環境へデプロイするのに30分、その変更を本番環境へ移行する準備が整ったあと、デプロイしてサイトに反映されるまでにさらに30 - 40分かかりました。最低でも60分というこのターンアラウンドタイムは、設定変更の修正、ロールバック、デバッグが必要な場合は、さらに長くなりました。

そこで Gannett は Fastly を導入し、自社の開発者が自社の設定に直接アクセスし、コントロールできるようになりました。今ではわずか5秒以内で、設定変更を実行し反映できるようになりました。これは以前のプラットフォームに比べて98.86 %の改善を意味しています。このように権限が拡大したことで、Gannett の開発チームは以下を行えるようになりました。

  • 独自のインタラクションを作成 : VCL、Edge Dictionary、スニペット、ACL を活用し、より高度なコントロールと機能性を実現しました。

  • ワークフローの合理化 : 各チームはそれぞれコード変更をプッシュできるので、同じタイミングで独自のコード変更を行っている他のチームによってボトルネックが引き起こされる心配がなくなりました。

  • セルフサービスの実践 : Fastly API と Terraform を使用して独自の Edge Dictionary を管理し、VCL スニペットによりエッジでリダイレクトを管理できるようになりました。


「Fastly を活用することで、当社のチームは単に一部の機能や設定のサブセットだけではなく、完全に自動化された方法ですべての設定を管理できるようになりました」
Erik Bursch 氏
Product Technology、VP

国民が最も必要なときに地域支援のためのソリューションを構築

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミック初期に、Gannett はsupportlocal.usatoday.com というサイトを立ち上げました。このサイトは、ビジターがお気に入りの地元のレストランやショップのギフトカードを購入し、後日それらを使用できるというもので、米国全土の中小企業への現金流入を促すことを目的としていました。

Gannett の開発者チームは48時間以内にこのサイトを立ち上げることができました。Fastly では基本となるサービスのひな形を作成し、それを基にプロダクトを構築できることが大きく貢献しました。この効率的なモデルでは、毎回一からサービスを構築したり、大急ぎで他のプロダクトのパーツをかきあつめてサービスを構築する必要がありません。

サイトを公開してからわずか数日で1日あたり9万以上のページビューを記録し、5,000社を超える中小企業が参加登録を行い、その数は増加し続けています。


「Fastly を導入することで確固としたメディアプレゼンスを確立し、利用者の声を代弁できるようになりました」

Erik Bursch 氏


Product Technology、VP

大規模な革新を自由に実現できるツール

Gannett の開発チームは、常に自社のサイトやアプリを改善する方法について考えをめぐらせています。そのため、Fastly が頻繁に市場に投入する新機能をベータテストする機会を心待ちにしています。他社に先駆けてエッジクラウドプラットフォームを採用した Gannett は、Fastly TLS や WAF API をはじめ、デバイス検出などさまざまな機能を最初に取り入れた企業のひとつです。Fastly のサーバーレスコンピューティング環境の Compute@Edge は、Gannett の開発チームにとって次の開拓分野であり、その可能性に胸を躍らせています。

Gannett はまた、エッジでより迅速に画像を変換し、配信することを可能にする Fastly の画像最適化サービス、イメージオプティマイザー (IO) をいち早く導入しました。Gannett は IO を採用する前、同じ画像につき複数のクロップ画像やバージョンを作成して物理的に保管し、それらを以前のコンテンツ配信ネットワークで配信していました。画像をクロップする際は、その変更が Gannett のコンテンツ管理システム (CMS) でサポートされているかどうか、また変更値が API 層を介してエンドユーザー側に反映されるかどうかを気にする必要がありました。

そこで、この問題を解決するために Fastly IO を採用した結果、Gannett はエッジに1つのアセットを保管するだけで、事前に定義された最適なクロップ率の画像を同社の複数の出版物のサイトに配信できるようになりました。結果として、コストの大幅削減とユーザーエクスペリエンスの高速化につながりました。

さらに Gannett は、広告収入源の要であるビデオの処理も Fastly に移行しました。これにより、開発チームはビデオの品質を自らコントロールし、単一の場所からさまざまなタイプのビデオコンテンツをエンドユーザーに配信できるようになりました。

Fastly 経由でメディアアセットを配信することにより、Gannett はさらなる効率化を進め、大幅なコスト削減を実現し、業界で最高レベルのパフォーマンスを発揮するニュースプラットフォームへと成長しました。

開発者に完全に見えて、ユーザーには全く見えないセキュリティ

Gannett は組織的なデジタルトランスフォーメーションの取り組みの一環として、オンラインセキュリティをエッジへ移行することに決めました。同社の開発チームはすでにコンテンツ配信に Fastly を使用していたため、Gannett のデジタルプロパティを保護するのに Fastly Web アプリケーションファイアウォール (WAF) を導入することでシナジーが得られました。


「Fastly は常に私たちの期待に応えてくれます。私たちが彼らに望むことで彼らにできないことはありません」
リック・ペルティエ氏 、Senior Security Engineer

トラフィックに対する完全な可視性を提供する Fastly の WAF は Gannett のチームに大きなメリットをもたらしました。Fastly の SumoLogicBigQuery とのパートナーシップにより、Gannett の開発チームはトラフィックデータをシームレスに可視化し、分析することができます。そして、それらのデータをもとにセキュリティチームは悪意のあるシグネチャを新たに特定し、それらのシグネチャを使用して WAF のチューニングを行うことができるため、Gannett のプロダクトの安全性をさらに強化できます。

しかし、おそらく最も重要な点は、ユーザーとユーザー情報を保護するためにスクリーンの裏側で何が行われているか、ユーザーはまったく気づくことがないということです。つまり、ユーザーはレイテンシの問題を感じたり、セキュリティ警告を受信することがありません。ユーザーエクスペリエンスに影響を与えないーこれが本来あるべき姿です。


「Fastly がエッジで大規模な攻撃を処理し、悪意のあるトラフィックを大幅に緩和してくれると信じて任せることができます。これは私たちにとって非常に大きなメリットです」

Ben Auch氏


Cybersecurity Director

ニュースの新時代を牽引

デジタルパブリッシングの革新をリードする Gannett は、Fastly 活用することで最新のヘッドラインニュースを瞬時に配信し、ニュース速報に伴うトラフィックの急増にもスケーラブルに対応しています。また、パイプラインを大幅に効率化させ、エンドツーエンドエクスペリエンスの安全性を強化しています。その結果、読者はニュースが発生したまさにその瞬間に必要な情報に安心してアクセスでき、Gannett はグローバルとローカルの両レベルでニュース業界を牽引し続けることができます。


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