Fastly を活用して5万件以上のグローバルな Web コンテンツのエクスペリエンスを高速化し、効率を改善した Brandfolder

スピーディなコンテンツ配信を実現する Brandfolder の主な特徴の1つは、Smart CDN です。この機能により、ユーザーは Webサイト全体への迅速なコンテンツ変更の反映、すばやいファイル形式の変換、アセット使用権の管理を自動的に実行できます。Fastly はこのサービスのバックボーンを提供し、信頼性が高くスピーディなコンテンツ配信とパージをサポートしています。

Brandfolder は元々独自に eager な画像変換を行い、ファイルを取り込む際に、必要な画像サイズを予測して複数のレンディションを作成していました。この eager な画像変換によって、リクエストに対するレスポンスタイムを短縮できる可能性がある一方、取り込みの時間が長くなるため、画像が取り込まれるまで待ち切れない顧客が何度も更新することがありました。

イメージオプティマイザーでコストを削減しながらリアルタイムのアセット管理をサポート

画像変換を Fastly のエッジクラウドプラットフォームにオフロードすることで、オンデマンドで画像を変換できるようになり、取り込み時の遅延が解消されました。現在 JPEG 画像および PNG 画像の95%が5秒以内に処理されています。これには完全な画像最適化、オーバーレイのサイズ変更、サムネイル作成が含まれます。具体的な例を挙げると、ライブイベントを撮影しているカメラマンが画像をアップロードすると、ほぼ瞬時に顧客に表示できるようになります。Brandfolder の Smart CDN では、Fastly の画像最適化 API を通じてこうした画像の編集を即座に開始できます。また、画像変換を Fastly に移行することで、遅延の解消だけでなく、ストレージコストの節約も実現しました。

「画像の取り込みからユーザーへの配信まで、顧客はスピードを求めています。イメージオプティマイザーを使用することで、取り込み時間を劇的に削減できました」
Brett Nekolny 氏、Director of Engineering

パージで効率化を促進し、オリジンシールドでコストを削減

コンテンツ管理を容易にする Brandfolder の主な機能の1つが、ウォーターマークの追加です。ウォーターマークはデジタルアセットをコピーや不適切な使用から保護します。Brandfolder では、Fastly のイメージオプティマイザーを導入する前は各画像に個別にウォーターマークを追加し、配信するまで保管していました。現在はオンデマンドでウォーターマークが生成されています。顧客が新しいウォーターマークをアップロードし、アセットのすべてまたは一部のサブセットに変更を適用すると、即座に変更が反映されます。このウォーターマーク機能も、Fastly のサロゲートキーパージを使用しています。これにより Brandfolder は特定のコレクションを対象にパージを実行し、更新されたコンテンツを即座に複数のサーバーに配信できるようになりました。つまり、常に最新バージョンを適切に配信できるのです。

Brandfolder はアーキテクチャを進化させながら、 Datadog との統合を通じて Fastly のデータを活用し、さらなる指標の可視化やオリジンシールドの効率的な使用を実現しました。同社は Google Cloud と AWS の両方を使用しているため、バケットへの近さに基づいてオリジンシールドを最適化した結果、パフォーマンスが向上した上、コストを削減できました。特に、Fastly と Google のパートナーシップによって Google Cloud を通過するトラフィックのデータ送信コストに50%の割引が適用されます。これは Brandfolder にとっては嬉しいメリットでした。

「Fastly について、何より優れていると感じるのはスケーラビリティです。顧客がエッジで即座にコンテンツを操作できるようにすることで、ビジネスのあり方が大きく変わりました。Fastly のおかげで効率性を大幅に向上させることができました」
Brett Nekolny 氏、Director of Engineering

開発ツールが問題解決を加速

Brandfolder の開発者はアップグレードや新しい機能をリリースする際、Fastly の開発ツールと統合機能を活用して本番環境の改善を促進しています。例えば、すべての新しい Brandfolder サービスは自動的に Terraform にインポートされます。開発者はステージング環境で変更をデプロイし、想定どおりに動作することを確認してから、非常に一貫性の高い方法で本番環境に移行できます。

「Fastly の Terraform プロバイダーのおかげで、一貫性のあるリリースプロセスを実現できました。ステージング環境で変更をテストし、本番環境でも一貫して反映されることを確認できます。この機能は Brandfolder にとって非常に重要です」
Brett Nekolny 氏、Director of Engineering

Brandfolder は、Fastly の開発ツールを活用してヒントを得ながら人気の高いある機能のソリューションを構築しました。ユーザーが視覚的かつ直感的にコンテンツを探したり、整理したりできるようにするため、Brandfolder はサムネイル処理を改善する方法を模索しており、これにはシステムのすべてのアセットのサムネイル生成も含まれていました。ただし、他のコンテンツと同じように eager な画像変換を使用してサムネイルを生成していたため、これがボトルネックとなりスケーラビリティの妨げとなっていました。

サムネイルサービスの再構築は、予測していたより大きなプロジェクトとなりました。Brandfolder は Fastly プラットフォーム上で直接コードをテストできるツール、Fastly Fiddle を使用し、サーバーを設定したり本番サービスに影響を与えたりすることなく、より小さなスケールで潜在的な問題を解決しました。Fastly Fiddle では、潜在的なソリューションがどのように動作するかを確認でき、Fastly の既製のコードサンプルをカット & ペーストあるいはカスタマイズしたソリューションレシピを試すことができます。最終的に効率化されたソリューションにより、Brandfolder のユーザーは作業時間を大幅に節約することができました。

「Fastly Fiddle はアイデアの概念実証や設計プロセスの判断において貴重な存在となりました。また、Fastly のレシピによってプリフライトのパターンの基礎を築き、中間サービスを完全に廃止することができました。つまり複数のステップを排除しつつ、エッジで詳細をコントロールできるようにしたのです。これは大きなメリットでした」
Brett Nekolny 氏、Director of Engineering

エッジでパフォーマンスをアップ

Smart CDN の新バージョンの公開に向けて、Brandfolder はさらに Fastly の機能を活用し、ユーザーエクスペリエンスの最適化に取り組んでいます。Brandfolder の Principal Engineer である Stew Blandford 氏は Fastly との連携についてこう述べています。「Fastly は頼りになる貴重な存在です。困難な課題に直面したときでも、少し変わった VCL コードを書いたときでも、何かが想定通りに動作しないときでも必ず頼りになります。今でもサービス向上を目標に、Fastly を活用して現在の機能をレベルアップまたは新しいものに置き換える方法を模索し続けています」

「開発ツールのレシピやドキュメントからエンジニアによる実際のサポートまで、Fastly からさまざまなサポートを受けています。時間をかけるのを厭わず私たちと一緒に問題の解決に取り組んでくれるので、1つの問題に長時間悩まされることはありません」
Stew Blandford 氏、Principal Engineer