Fastly を活用して品質を維持しながらトラフィックスパイスに対処している Bell Media

Bell Media のビデオ配信パイプラインチームで Senior Media Technology Analyst を務める Roy Hasanizadeh 氏と、Media Technology Analyst の Adrian Loree 氏をお迎えして、同社が Fastly を使用してオンデマンドでスケーリングし、あらゆる環境でシームレスなエクスペリエンスを顧客に提供している方法についてお伺いしました。

Fastly が Bell Media にとって最適な理由

同社のビデオ配信パイプラインチームは、コンテンツの調達とトランスコーディングを担当し、カナダに暮らすすべての人にスムーズかつ確実にコンテンツを届けることに注力しています。彼らにとって最大の課題はトラフィックスパイクと、それによって生じ得る配信のスローダウンとサーバー障害です。同チームの最も重要な仕事は、Bell Media の顧客へのコンテンツ配信の質が、トラフィックスパイクにより損なわれないようにすることです。

Bell Media の顧客ベースは拡大を続けており、ビデオ配信で非常に大きなトラフィックスパイクが発生するようになりました。「拡大し続ける容量のニーズに対応できる新しいベンダーが必要であることは明白でした。概念実証を経た後、Fastly が最良の選択肢であると私たちは確信しました。Fastly への期待でワクワクしたのを覚えています」(Hasanizadeh 氏)

Bell Media が素晴らしいユーザーエクスペリエンスを一貫して提供する上で、Fastly がどのように貢献しているか

Hasanizadeh 氏と Loree 氏は、Bell Media が高速かつアジャイルであり続け、お客様のニーズに迅速に対応する上で、Fastly がさまざまな形で貢献していると語っています。

• コントロールを維持したままスケーリングしてピークトラフィックに対応

「Fastly ではトラフィックを異なるサイトに振り向ける方法をコントロールできるので、各サイト間でバランスを取りながらネットワークの可用性を最適化できます」と、Loree 氏は述べています。Bell Media はパブリック CDN ノードとプライベート CDN ノードの間でトラフィックを振り分け、各ノードでトラフィックの一部を処理しています。また、Bell Media は VCL を使用して Fastly のエッジをプログラムすることで、ネットワーク容量を拡大し、オリジンサーバーへのトラフィックをコントロールすることができます。

• 開発者が自由に改良できる

エッジで VCL を使用して簡単に変更をロールバックできます。たった数秒で変更が反映されるので、設定変更でミスをしても即座に取り消すことができます。「私たちのチームは VCL での作業をとても気に入っています。自由に好きなものを構築してデプロイし、必要に応じて変更をすぐにロールバックしてフェイルフォワードまたはフェイルバックできるので、望ましくない影響がお客様に及ぶことはありません」(Loree 氏)

• ログで問題を特定して解決

重要な情報が集約された Fastly のストリーミングログ機能によって、各ユーザーの問題の原因を特定できます。「Fastly のストリーミングログが提供する詳細なデータから、お客様のストリーミングに関する詳しい情報を取得できるので、これらのリクエストをバケット化し、バケットに基づいて問題のある部分を明らかにできます」と Loree 氏は語っています。ログによって、お客様が再生しているコンテンツや使用している形式だけでなく、ビデオあるいはオーディオファイルの一部かといった情報も取得できるので、確認すべき場所を容易に特定して問題に素早く対処できるのです。

顧客へのメリット

Bell Media の顧客は、質の高いシームレスなユーザーエクスペリエンスを求めており、Fastly はその実現に大きく貢献しています。「Fastly の導入後、最初の1バイトのレスポン時間が大幅に向上しました。これはユーザーにとって、ビデオの再生が開始されるまでの時間とバッファリングが発生する可能性が削減されることを意味します」

Bell Media の特定のサイトで問題が発生しても、エンドユーザーがそれに気付くことはありません。ビデオパイプライン配信チームが裏でいかなる作業を行っていたとしても、Fastly によってストリーミングサービスのレジリエンスが確保されているからです。

Fastly チームとの連携について

Fastly のサポートチームは信頼できるパートナーとして、ネットワーク問題を理由に Bell Media のカスタマーエクスペリエンスが損なわれないよう、Bell Media チームをサポートしています。「Fastly チームは非常に対応が早いです。どんな問題が発生しても、すぐに対処してくれます」(Hasanizadeh 氏)

Bell Media と Fastly のチームは頻繁に Slack で連絡を取り合っていますが、その内容はネットワーク問題とは限りません。Bell Media のサービス向上に常に取り組んでいるビデオパイプライン配信チームは、質問がある場合やアドバイスを求めて気軽に Fastly のサポートチームに問い合わせることができます。「VCL に変更を加える際、Fastly のチームはとても積極的にサポートしてくれます。彼らのおかげで、いつでも必要なサポートが受けられています」(Loree 氏)

プラットフォームの今後の展望

Fastly を通じてコードをエッジに移動させたことで、配信スピードが向上しました。「私たちのバックエンドサービスに、パフォーマンスの低いコードがあることが分かり、Fastly を活用してそのコードを Fastly エッジに移したところ、お客様へのビデオコンテンツの配信を加速させることができました」と Loree 氏は説明しています。これにより、Bell Media はオリジンへのトラフックを軽減し、他の用途にオリジンサーバーを使用することが可能になりました。「VCL または Compute@Edge を利用してより多くのコードを Fastly に移行させ、オリジンへのトラフックを減らしたいと考えています」(Loree 氏)

また、Bell Media はライブビデオの配信に Fastly Compute@Edge の使用を開始しました。ライブ配信の成功を受け、Bell Media チームはビデオ配信の他の分野でも Compute@Edge を活用することを計画しています。