ピークに備えて押さえておくべき3つのポイント
今年のブラックフライデーと商戦期のピークトラフィックは、過去数年とは大きく異なるものになりそうです。デロイトの予測では、eコマースのホリデー売上高は今年25% - 35%ほど急増し、1,820 - 1,960億ドルになると見込まれています。また、新たな購入客の流入に伴い、典型的な購入者プロフィールも変化する可能性があります。
つまり、eコマースサイトは、ピークトラフィックだけでなく、数あるショッピング方法に対しても準備しておく必要があるということですが、それは想像するほど難しいことではありません。良いゲームプランは、次の3つのベストプラクティスを網羅している必要があります。
アプリケーションの限界を知る
ピークに備える第一歩は、自社のアプリケーションがどこで、どのように、そしてなぜ失敗する可能性があるのかを理解することです。例えば、どの地域がホットスポット、主要市場、新興市場になるかを把握します。また、人気が高まる可能性のあるデバイスの種類を把握し、サポートできるようにします。
実店舗ではなくオンラインでショッピングを楽しむ人々が増える中、顧客のタイプやニーズもこれまでとは異なる可能性があります。彼らはより幅広い商品を購入するかもしれませんし、オンラインショッピングに不慣れかもしれません。公開されているセール情報には興味を示さないかもしれません。ですので、顧客が遭遇する可能性のあるユーザーエクスペリエンスを予測し、そのすべての可能性に対応できるようサイトを最適化しましょう。
最新の役立つ CDN を選ぶ
顧客に最高のエクスペリエンスを提供するため、同業他社の事例やフォーラム、自社のベンダーなどのサードパーティエクスペリエンスを活用するのもおすすめです。
ここで重要なのは、適切な CDN を使うこと。コンテンツの迅速な配信やショッピング体験のパーソナライズ化など、今日の eコマース企業のニーズを満たすことができる CDN を探しましょう。CDN は、頻繁に変更されるアイテムを、より顧客に近いエッジのキャッシュサーバーでキャッシュし、保持できるものでなければなりません。これらのアイテムには動的コンテンツや API レスポンスも含まれます。最新の CDN には、平均150ミリ秒以下で無効化できるものもあります。これは、多数のユーザーがお客様のサイトに同時アクセスした場合に特に役立ちます。
需要をよりよく満たすためには、CDN はエッジでロジック計算し、訪問者の位置情報やデバイスタイプ、その他リクエストに付随する情報に基づいてコンテンツを配信する必要があります。適切な CDN を利用することで A/B テストが容易になり、異なる地域やデバイスでの購入者の傾向に合わせて即座に最適化することができます。CDN は基本、HTML でサードパーティタグを使用すべきではないため、リクエストをオリジンに送信して返す必要があります。これらのタグを排除することで、オンラインストアの動作が高速化し、全体的なユーザーエクスペリエンスを向上できます。
アプリケーションの拡張性を確認する
アプリケーションの制限を理解し、サードパーティのサポートを活用し終えたら、アプリケーションの拡張性を確認するため何度もテストを繰り返します。実際のトラフィックとテストトラフィック両方を投入し、パフォーマンス目標 (ページの読み込み時間、最初のバイトまでの時間、最初のインタラクションまでの時間、エラー率) を念頭に置いて、目標値にリーチするまで CDN とサイトデザインをテストし、微調整します。
まずは負荷テストを優先すべきです。多くのテクノロジースタックにはボトルネックがあり、トラフィック量の多い時間帯にのみ顕著になります。リクエストの数が利用可能な計算能力を超えると、俗に Thundering Herd (再試行の嵐) と呼ばれる問題が発生し、可用性の問題やパフォーマンスの低下を引き起こす可能性があります。この他にも、カスタマーエクスペリエンスの低下、最悪の場合は完全な停止などの問題につながることもあります。
基本、CDN による負荷テストは避けるようにして下さい。CDN は多くのトラフィックを処理するよう設計されているため、トラフィックを通してテストを行ってもボトルネックを明らかにすることはできません。代わりに、データベースやアプリケーション、オリジンへの接続など、拡張が難しいものにおける配信ギャップを探します。フェイルポイントをテストしましょう。ギャップがどこにあり、その深さはどの程度か確認します。
テストを行う際には、大量のトラフィックを徐々に追加しても、着実に負荷を上げていくことでサイトが正常に動作できてしまい、問題点を発見できない可能性があることを覚えておいて下さい。突然のスパイクは、内部管理システムが十分迅速に補正できないため、管理が困難です。負荷の急激な増加と段階的な増加をテストすることで、アプリケーションの弱点を浮き彫りにできます。
ショッピングフローの各ページもテストしましょう。ランディングページは比較的静的であるため、トラフィックスパイクへの耐性は高いかもしれません。しかし、ショッピングカートやチェックアウトでは、データベースなどバックオフィスのリソースをより多く使用するため、ボトルネックが生じる可能性が高まります。これがユーザーエクスペリエンスに影響し、カゴ落ち率を増加させることは、ご存じの通りです。
今後について
これらをすべて実行すれば、あなたのサイトは今年のショッピングシーズンにおけるトラフィック増加にも、十分耐えられるようになるはずです。コードフリーズが発生したら、そろそろ来年について考え始めるべき時期です。Fastly のデモを入手して、私たちのエッジクラウドプラットフォームが、通年のトラフィック急増をどう管理するか、確認してください。