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CDN がスタートアップ企業にもたらす3つのメリット

Simon Wistow

VP Strategic Initiatives, Fastly

スタートアップ企業が成功するには、イノベーションを促進し、安全で競争力のあるサイトとアプリケーションを構築して優れたユーザーエクスペリエンスを実現できるツールを開発者に提供する必要があります。そこで、最先端の CDN の出番です。この記事では、Fastly のスタートアップ企業向けプログラム Launchpad の参加者の声を元に、最先端の CDN がもたらす3つのメリットをご紹介します。

CDN がスタートアップ企業にもたらす3つのメリット

1. 安全性に優れたサイトとアプリケーション

ネットの利用が普及するなか、ユーザーは安全なアプリと Web サイトを求めています。セキュリティは、サイトが公開される直前に後付けで追加したり、問題が発生してから検討するオプション機能ではありません。セキュリティは配信モデル全体に本来備わっているべきものです。

CDN の中には、セキュリティが追加のオプション機能としてではなく、あらかじめネットワーク全体に組み込まれているものもあります。このような CDN は、最新のプロトコルを活用し、可視性と強制機能を提供することでセキュリティの強化に大きく貢献します。例えば、開発者はリアルタイムでログを確認し、DDoS 攻撃が進行中であることを即座に検知できるほか、ヘッダー、Cookie、リクエストパス、クライアント IP、地理的位置情報を含むリクエスト全体を検査し、数秒でトラフィックをブロックするアクションを実行できます。

また、最先端の CDN では、攻撃が進行中であることを示すデータを可視化し、セキュリティアラートを送信することもできます。最先端の CDN の中にはさらに、開発者が UI または API を使用してカスタムルールの作成、変更のロールバック、ネットワーク動作の調整等ができる機能を備えるものもあります。

最先端の CDN と Web アプリケーションファイアウォール (WAF) を組み合わせることで、開発者は CDN のログを調査し、1,000種類にのぼる攻撃のいずれかが進行中であるかどうかを検知できます。また、手動介入なしで攻撃を自動的にブロックするように設定することも可能です。

例えば、配信用とセキュリティ用のネットワークが分離されている場合とは異なり、セキュリティがあらかじめ組み込まれた単一配信ネットワークのみを使用する最先端の CDN では、セキュリティの異常を検知しやすく、より迅速に対処できます。これにより、開発者は攻撃の激化に応じて包括的なスケーリングの決定を行うことができ、特に DDoS 攻撃に対処するのに役立ちます。

2. 検索エンジンランキングの向上

「見つけやすさ」はビジネスの成功の鍵となる要因のひとつです。そのため、検索ランキングの重要性を無視することはできません。検索エンジン最適化 (SEO) は曖昧な手法ですが、サイトのパフォーマンスが検索ランキングに直接影響することは事実です。最先端の CDN はサイトの信頼性を高め、より安定した接続を提供することで、SEO に大きく貢献します。 

例えば、トランスポートレイヤーセキュリティ (TLS) 接続に最新の暗号化技術を採用し、低レイテンシの HTTP レスポンスを提供する最先端の CDN が前面に配置されているサイトは、スピードの遅さや安全性の欠如を理由に検索ランキングが下がることはありません。また、最先端の CDN は HTTP/2 や QUIC などの新しいプロトコルを自動的に実装してくれます。

最先端の CDN の中には、動的サイトアクセラレーション (DSA) を使用するものもあります。DSA により、配信に至るルートの大部分で長時間持続するオープン接続を利用できるため、キャッシュミスやキャッシュ不可コンテンツの場合も含め、配信スピードが向上するというメリットがあります。さらに、HTTP 以外のポートのトラフィックや無効な HTTP トラフィックからサイトを守るシールド機能を搭載した最先端の CDN もあります。この機能により、特定の DDoS 攻撃を遮断し、サイトのレジリエンスを高めることができます。

また、CDN の設定と API の設計はサイトの LCP (最大コンテンツの描画) にも大きな影響を及ぼします。LCP は、ページが読み込みを開始してから最もサイズの大きなコンテンツがビューポートで完全にレンダリングされ、インタラクションが可能になるまでに経過した時間を表します。通常、測定の対象となるのは画像、動画、テキストノードを含むブロックレベルの要素です。LCP を最適化する方法のひとつとして、最初の1バイトが到着するまでの時間 (TTFB) を短縮する方法があります。最先端の CDN を使用してエッジで API のレスポンスをキャッシュし、画像を圧縮することで TTFB を短縮でき、LCP の改善につながります。

最先端の CDN がサイトのパフォーマンスと SEO の結果にもたらす影響の詳細については、このトピックに関するウェビナーをご覧ください。 

3. コンテンツのカスタマイズと A/B テスト

ホームページ、ショッピング体験、あるいは処理コールの最適化において最良の選択肢を見つけることが、スタートアップ企業を成功へと導く重要な道標となります。 

開発者は最先端の CDN を利用することで、ユーザータイプ、デバイスの種類、位置情報などの条件に基づいてコンテンツをカスタマイズし、ユーザーに最も関連性の高い情報を提供できます。CDN によっては、エンドユーザーの位置情報を経度、緯度、大陸、国、都市、郵便番号、電話の市外局番、メトロコードまで正確に特定できる機能を備えるものもあります。この機能を利用することにより、特定の都市や郵便番号を対象にしたクーポンや位置情報に基づいて異なる言語のサイトを提供したり、地域ごとに製品の在庫状況を表示したり、ユーザーが使用しているデバイスに適したサイズや画質の画像を配信するなど、高度にパーソナライズ/ローカライズされたコンテンツを配信することが可能になります。 

このように、最先端の CDN では各ユーザーに異なる情報を配信できるだけでなく、開発者は CDN のログでユーザビリティ分析を行えるため、Web サイトのデザインや機能性をテストする A/B テストにも適しています。例えば、開発者は CDN を使用してユーザーの地理的な位置情報やデバイスの種類を基に、購入する確率の高い商品に焦点を絞ったセール情報を配信することができます。そしてリアルタイムのストリーミングログを分析することで、特定の商品をクリックした人数を把握し、購買意欲をかきたてるセール広告を作成して、それを即時にサイトに反映できます。

次のステップ

可用性、パフォーマンス、セキュリティはスタートアップ企業の成功に欠かせません。優れたプロダクトやアプリのデザインだけでは、もはやエンドユーザーを満足させることはできません。彼らは100%のアップタイムと安全なエクスペリエンスを保証してくれる企業を求めています。最先端の CDN が必要な理由を理解することで、スタートアップ企業は成功への最初の一歩を踏み出すことができます。

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