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安全なマルチクラウド環境 : 企業のクラウド導入

Jay Coley

Senior Security Architect, Fastly

プロセスや顧客との関わり方においてデジタルトランスフォーメーションを実現する組織では、多くの場合マルチクラウド環境に対する準備が整っています。

マルチクラウド環境とはその名の通り、1社以上のクラウドプロバイダーが提供する複数のクラウドサービスを使用して、分析や人工知能などの優れた機能にアクセスすることを指します。組織によるサービスの使用方法とベンダーの設定はどちらも、ニーズ、価格設定、パフォーマンス、セキュリティ、コンプライアンス要件、地理的位置によって異なります。

マルチクラウド環境では通常、プラットフォーム・アズ・ア・サービス (PaaS)、サブスクリプション・アズ・ア・サービス (SaaS)、またはインフラストラクチャ・アズ・ア・サービス (IaaS) で企業のアプリケーションを実行するパブリッククラウドプロバイダーとプライベート・クラウド・プロバイダーを組み合わせて使用します。このソリューションは多くの場合、単一のベンダー経由では機能を完全に利用できない可能性があるサービスを必要とする多様なアプリケーションを使用している組織に適用されます。マルチクラウドがさらなる柔軟性を提供するのです。 

マルチクラウドのメリット

マルチクラウド環境に移行した組織には、下記のような多くのメリットがあります。 

  • 無制限のクラウドサービス。これは、さまざまなクラウドプロバイダーと連携できる柔軟性によって得られるメリットです。組織は妥協することなく、必要不可欠なアプリとサービスのカスタム構築とデプロイが行えます。その結果、効率が上がりコストを削減できます。

  • 混乱に対する脆弱性の軽減。1つのプラットフォームで予定外のダウンタイムや障害が発生しても、問題ありません。1つのクラウドで問題が発生したとしても、別のクラウドでお使いのサービスに必ずしも影響するわけではありません。

  • ベンダーによるロックインの軽減。単一のベンダーにロックインされたり、不要なサービスを契約したりすることなく、必要なときに必要なサービスを利用できます。

  • コスト管理の改善。より効率的に予算を使うことができるようになります。例えば、低コストのオリジンサーバーを選択してコンピューティングリソースとストレージリソースを統合することで、全体的なインフラコストを削減し、ビジネスに必要とされる高度なサービスのために予算を確保できます。 

マルチクラウド環境の課題とは

複数のプロダクトを管理している場合、悪意のある攻撃者やその他の脅威を防ぐセキュリティ対策は非常に複雑になります。さまざまなアプリケーションや多数のユーザーのセキュリティ設定が必要となるためです。マルチクラウド管理に関する課題には、以下が含まれます。

  • 複数のプラットフォーム全体にわたってセキュリティポリシーとコンプライアンスポリシーの一貫性を維持する。

  • さまざまなホスティングプラットフォーム全体でのアプリケーションのデプロイにおける一貫性を保つ。

  • モニタリングツールを使用して、環境の一元的なビューを取得し、複数の環境を標的とする脅威に対するインサイトを改善する。また、ニーズや混乱に応じて設定しやすいツールを使用する。

  • 複数の環境が適切に設定されるよう徹底する。これにより、すべてのプロバイダーにおける相互運用性を確実に確保し、プロバイダー間のデータ移行を容易化する。

  • 単一のクラウドベンダーを使用している場合のような、迅速な開発は望めない。

クラウド採用企業の多くは、付加価値のあるツールのメリットを活用できる単一のクラウドプロバイダーを好みます。その一方で、すべてのサービスを単一のクラウドプロバイダーに任せたくない企業や、クラウド移行の準備が整っていないシステムを抱えている企業も多数存在します。 

Fastly のメリット

浜辺ではなく、高い崖の上から海を見ているのだと想像してみてください。浜辺からの眺めは限定的ですが、崖の上に立つと海の状態がよくわかります。 

Fastly のソリューションでは、崖の上からの眺めに似て、マルチクラウドの状況全体に対する可視性を実現できます。この総合的な全体像により、環境のあらゆるコンポーネントにおける一貫したアラートとコントロールを維持することが可能となります。Fastly の管理サービスによってマルチクラウドのレジリエンスが高まると、安心してそのすべてのメリットを享受できます。 

マルチクラウド環境でこのような単一のビューを実現する上で、Fastly がどのようなサポートを提供できるかご確認ください。 

アプリを保護し、安全なクラウドインフラストラクチャを確保する方法については、Fastly のホワイトペーパー「クラウドネイティブの AppSec プレイブック」をご覧ください。https://learn.fastly.com/jp-cloud-native-application-security-playbook-new.html

また、Fastly の次世代 WAF (Powered by Signal Sciences) について詳しくは、以下をご覧ください。/products/web-application-api-protection