エッジを役立てる : オリジンシールドによってパフォーマンスを向上させる方法
オリジンシールドとは
アーキテクチャがどんなにシンプルまたは複雑であっても、オリジンシールドを使用すると、最も混雑する時間帯に最適なパフォーマンスと可用性が保証されます。
オリジンシールドの最も基本的な形式は、オリジンサーバーと CDN エッジサーバー (POP) 間の中間層キャッシュレイヤーです。オリジンシールドは、オリジンサーバーを過負荷から保護し、高い可用性とパフォーマンスを達成しながらコスト削減も実現できる保護手段です。
サーバーが完全に停止することは、デジタルビジネスを営むあらゆる企業にとって最も恐るべき事態です。最新のクラウドネイティブアーキテクチャにとっては、完全な停止は問題ではないかもしれません。しかし、予期せぬスパイクが発生する高トラフィックのイベント中に、デジタルプレゼンスのサービス品質が低下する可能性は十分にあります。このため、大半の企業は、ある程度の多層分散キャッシュ戦略を導入することで、サーバー要件を減らし、キャッシュによってもたらされるパフォーマンスの向上を享受しています。オリジンシールドによって、オリジンサーバーの負荷が常に軽減され、エンドユーザーのエクスペリエンスが向上します。
キャッシュを適切に実装すれば、保護とセキュリティのレイヤーが追加されます。また、オリジンシールドの実装により、ミッドグレスキャッシュを保護するのに不可欠なレイヤーが提供され、これらの停止が起こらないよう徹底することができます。
オリジンシールドの仕組み
オリジンシールドでは、キャッシュされていない受信リクエストの集約ポイントとしてエッジノードの配信拠点 (POP) を指定することで、オリジンサーバーに対するリクエストの数を削減できます。選択されたオリジンシールドの POP は、数千または数百万の受信リクエストからオリジンサーバーを保護する防御用の追加レイヤーです。これにより 、オリジンサーバーを外部のインターネットからロックダウンし、設定で指定したオリジンシールドの POP からのリクエストのみを許可できます。キャッシュされていないリクエストをオリジンサーバーの前にあるオリジンシールドの POP に転送することで、キャッシュヒット率が向上します。その結果、オリジンサーバーでダウンタイムを発生させることなく、コンテンツをより迅速かつ効率的に処理できるようになります。
同様のことが、複数の CDN を使用している場合にも当てはまります。オリジンシールドとして設定したキャッシュ POP の1つが、マルチ CDN 設定内のプライマリ CDN の役割を果たすことで、現在キャッシュ内に存在しないコンテンツのために単一のリクエストのみをオリジンサーバーに送信します。このオリジンシールドは、設定内のその他の CDN とこのレスポンスを共有します。
メリット
Fastly のオリジンシールド技術を使用しているお客様は、Fastly エッジで処理されるリクエストの平均99%の増加を実現しています。レイテンシを削減することでユーザーのエクスペリエンスが向上するだけでなく、オリジンサーバーの規模とデータ転送量を削減することで高コストを節約できます。
オリジンシールドを利用するメリットと、Fastly のお客様の声をご紹介します。
トラフィックの過負荷からのオリジンサーバーの保護と可用性と冗長性の確保。Thundering Herd が発生するのは、Web プロパティが定められた時間内に受信するリクエストが多すぎるときです。これにより、レスポンス時間が長くなり、ユーザーエクスペリエンスに悪影響が及びます。
「業界をリードするプラットフォームでトラフィックが急増し、1秒あたり120,000件のリクエストが常態化しました。Fastly のエッジネットワークが、54件のリクエストを除くすべてのリクエストを処理しました」undefinedundefinedundefined
意図的または意図的でない DDOS スタイル攻撃に対するさらなる保護 : オリジンシールドにより、偶発的なパージとサイトのアップデートに備えて保険をかけることができ ます。
「オリジンシールドは非常に有益です。アップデートを実行する際は帯域の使用量が多くなるのですが、現在のアップデート時のトラフィックのヒット率は99%なので、インフラストラクチャのコストを大幅に削減できました」undefinedundefined
コンテンツ配信の改善とキャッシュ効率の向上 : オリジンシールドにより、エッジで処理されるコンテンツのキャッシュヒット率が高くなります。
「スポーツデータを配信する際のヒット率が98%というのは、実に驚くべき数字です」undefinedundefined
セキュリティ、パフォーマンス、レジリエンスの向上。無償での保護レイヤーの追加。送信時のフットプリントの削減は、オリジンサーバーに対する攻撃面が小さくなることを意味しま す。この設計は、シングル CDN アーキテクチャとマルチ CDN アーキテクチャの両方に適用されます。
「Fastly のシールド機能のおかげで、オリジンサーバーを大規模なトラフィックスパイクから守ることができています。さらに月に60%のコストダウンも実現しました」undefinedundefinedundefined
オリジンシールドによる防御力の強化
CDN アーキテクチャを再設計している場合も、新しいソリューションの構築を試みている場合も、オリジンシールドは、真剣な検討に値するコンポーネントです。ユーザーが一定レベルのサービスを期待するだけでなく保証さえする高パフォーマンスのユースケースでは、ユーザーエクスペリエンスに焦点を 当てることが不可欠です。パフォーマンスが重要なユースケース (ライブビデオやゲーミングなど) でマルチ CDN 設定が急速に標準となるに伴い、オリジンシールドはアーキテクチャ設計パターンにおいて「あれば嬉しい」コンポーネントから「不可欠な」コンポーネントになりつつあります。設計コンポーネントはすべて、パフォーマンスに対応できる必要があります。したがって、マルチ CDN 設定内のその他の CDN は、パフォーマンスの低い CDN のトラフィックを素早く吸収できるよう準備を整える必要があります。undefinedundefined
現在 CDN を利用しているお客様は、アカウントマネージャーまでご連絡ください。オリジンシールドがお客様のユースケースにもたらすメリットについてご相談いただけます。まだ Fastly をご利用でない方は、こちらまでお問い合わせください。Fastly のソリューションがご利用の環境にどのように貢献できるか、ご説明いたします。