Fastly が倫理的かつオープンなインターネットを支援する方法
Fastly では「一貫性」という考えを、プロダクトにおいてだけでなく企業の中心に据えています。私たちは強い倫理的原則に基づいて Fastly を設立し、志を同じくするパートナーやお客様に囲まれています。また、Fastly 独自のビジネス価値に合致する企業やプロジェクトとの提携を選択しています。このビジネス価値とは、一貫性があり、透明性を確保し、信頼性が高く倫理的であるということです。Fastly のエッジクラウドプラットフォームは、多くの異なる組織に対して高速、セキュア、スケーラブルな運用を支援する上で役に立つ、重要なインフラストラクチャを提供しています。さらに、オープンソースおよび非営利団体の支援プログラムを介して RubyGems、Haskell、Donors Choose、Reporters Without Borders、Direct Relief、Kiva などのオープンソースおよび非営利団体向けの無料サービスを提供しています。
オープンソース
オープンソースプロジェクトは、インターネットの基盤です。Fastly では、これらのプロジェクトの重要な取り組みに資金提供することで、自由でスケーラブルな技術的イノベーションを目指す自社のビジョンを支援しています。Fastly の設立以来、私たちは数多くのオープンソースプロジェクトを支援しており、設立チームは、オープンソース開発に時間を投資してきました。当社の CEO である Artur Bergman は以前、Perl 用のスレッドライブラリ全体を再作成したことがあり、Fastly には大勢のオープンソース貢献者と管理者が在籍しています。初期のチームは Varnish と呼ばれるオープンソースプロジェクトを中心にして、Fastly のエッジクラウドプラットフォームを構築しており、私たちはオープンソースプロジェクトを使用することにはメリットがあると非常に強く感じています。Fastly のスタックは依然として、Go、Perl、Ember、Ruby、Vault、h2o、その他にも多くを含むオープンソースの言語とプロジェクトの影響を受けています。
2017年が終わりに近づくにつれて、Fastly では、資金提供しているオープンソースプロジェクトとその目覚ましい成長を祝う機会を設けました。2014年以降、私たちが支援するオープンソースプロジェクトのデータ転送量は3,000%増加しました。Fastly は2016年、22.7ペタバイトのオープンソースにサービスを提供し、2017年にはこれが倍以上に増えました。いくつかの個別プロジェクトを詳しく調べた結果、以下が判明しました。
Fastly は2017年、約 100 TB の GHC、Haskell Platform、Hackage のダウンロードに対応
Ruby は、2017年10月だけで 7.3 TB のデータ転送量を記録
NetBSD は、1日あたり平均 200 GB を処理
Fastly の目標は、オープンソースプロジェクトに貢献し、その成長を支援することです。つまり、オープンソースに関心のあるクリエイターを支援し、エコシステムを微調整して、さらにはオープンソースの状況を変えることです。そして、トラフィックが収益につながっていないとしても、コミュニティの役に立っているプロジェクトを支援することです。また、私たちはオープンソースの開発をその中核で支援しており、開発者コミュニティの鍵となっている企業とも協力しています。こうした企業には、週あたり35億件のダウンロードが Fastly を介して行われている NPM などが含まれます。私たちは、プロジェクトの管理者や運営者が細かなスケーリングの問題ではなく、自身のミッションに集中できるようにしたいと考えています。
今回は、Fastly がサポートしている素晴らしいオープンソースプロジェクト (Python Foundation、RubyGems、HashiCorp、Tor) と、これらのプロジェクトがどのように著しい成長を遂げたのかをご覧いただきます。
Python Software Foundation と PyPi (Fastly 初のオープンソースプロジェクト)
Python Software Foundation は、パッケージマネージャーである PyPI 用のコンテンツを提供するという課題を解決するために私たちのオープンソースプログラムに参加しました。Fastly は、PyPI の「スケーリングの成功の秘訣」となったことに誇りに思います。Python のユーザーベースとダウンロードリクエストが漸進的な成長を続けているのを見ると、喜ばしく思います。
PyPI の管理者を務める Donald Stufft 氏は、以下のように述べています。
「Fastly が提供するグローバルな CDN と Varnish のキャッシングにより、私たちの運用作業における最大の削減効果の1つが実現されました。PyPI に対するリクエストはすべて Fastly を介して行われ、Fastly のキャッシングを通じて、受信トラフィックのほぼ90%がオリジンサーバーに到達するのを阻止できます」
https://twitter.com/dstufft/status/925081822358310913
https://twitter.com/EWDurbin/status/865221456237428737
RubyGems
RubyGems.org は、Ruby コミュニティの gem ホスティングサービスです。RubyGems.org は、増え続けるグローバルなユーザーベースに対する gem のダウンロード (Fastly gem を含む) の配信を促進するために、2014年初期に Fastly のオープンソースプログラムに参加しました。RubyGems.org はまた、ここ数年の間に著しい成長を遂げました。2017年の RubyGerms.org のデータは以下のとおりです。
10,918個の新しい gem
91,949個の新しい gem バージョン
1,637,475,670件の gem のダウンロード
484 TB の gem の合計データ転送量
1.2 Gbps/秒のデータ転送量をサポートする Fastly gem を Bundler と RubyGems のユーザーに提供
HashiCorp
Fastly と HashiCorp は相補的な価値を共有しています。両社ともに、開発者と DevOps チームを強化し、データセンターの可能性を押し広げています。長期にわたり HashiCorp プロジェクトユーザーである Fastly は、HashiCorp のユーザーベースが年々成長し続ける中でそのダウンロードをグローバルに管理し、成長に貢献できることを喜ばしく思います。HashiCorp の2017年のデータは以下のとおりです。
約50,000,000件のオープンソースのダウンロード
今年、約30,000,000件のリクエストを HashiCorp のオープンソースの Webサイトで受信
Tor
2016年夏、私たちは、Fastly のネットワークを介したブラウザの無料更新を支援する Tor ブラウザプロジェクトへの資金提供を開始しました。
Tor は、最近のブログ投稿でプロジェクトの成長について取り上げています。
Tor は、Linux 上で2014年の50 MBから現在の85 MBに増えたユーザーの需要に対応するためにインフラを拡張しました。
2017年2月、(更新が可能かどうかを確認する) 更新 ping が1日あたり2,000,000件にまで増え、それ以降安定しています。
1日あたり約2.1 TBのデータ転送が Fastly を介して行われており、スパイクは1日あたり14 TBを超えています。
非営利団体の支援
オープンソースと同様、非営利団体はプログラムの開発、事業範囲の拡大、最終的にはコミュニティに変化をもたらす上で、ボランティアの支援に依存しています。リソースが限られる中で (技術面以外で) コミュニティをより良くしてくために効果的な活動を行っている組織は数多くあります。Fastly はオープンソースプロジェクトへのサービス提供を開始したとき、同じサービスを非営利団体にも提供できることに気付きました。そこで社内でも高い評価を受けている非営利プログラムに連絡を取り、支援を提供しました。そして、これらの団体に情報拡散を依頼した結果、すぐに支援を必要とする多くの非営利団体からの依頼が舞い込みました。これらの組織には、海外のジャーナリスト (Reporters Without Borders)、災害救助組織 (Direct Relief、Doctors Without Borders)、教育を目的とした団体 (Khan Academy) などがあります。
最後に
Fastly では、企業としての継続的な成長 (お客様に最高のサービスを提供するための慎重なスケーリング) に伴い、オープンソースおよび非営利団体の支援プログラムの成長にも期待しています。私たちは、インターネットの最善の部分にサービスを提供し、これがオープンソースおよび非営利団体の支援プロジェクトにも広まっていることを誇りに思います。昨年、Fastly のネットワークにおけるオープンソースおよび非営利団体のトラフィックは2倍以上に増加しました。しかし私たちのミッションはまだ終わっていません。世界をより良くするために活動している人々を支援し、彼らに声をかけ、その活動範囲を広げたいと考えています。2018年は、世界 (およびインターネット) をより良くするために、より多くのプロジェクトや組織のミッション達成を支援していきたいと思います。
Fastly のサポートが必要なプロジェクトの方は、community@fastly.com までお気軽にお問い合わせください。